自動車専門誌CARトップの取材で、同じ車種のガソリン車・マイルドハイブリッド車と電気自動車(EV)を乗り比べる機会がありました。これまでEVの試乗はほとんど単独だったので、いろいろな発見がありました。掲載号は昨日発売されたので、気になる方は読んでいただければと思います(トヨタ自動車の実証都市ウーブンシティについても書きました)。
試乗したのはマツダ「MX-30」とプジョー「2008」、ほぼ同じボディサイズを持つ日仏のSUVです。MX-30のEV仕様は2リッター自然吸気エンジンのマイルドハイブリッド仕様、「e-2008」と呼ばれる2008のEV仕様は1.2リッターターボエンジンを積むガソリン仕様との比較になりました。
EV仕様の車両重量はほぼ同じだったので、満充電での航続距離はおおむねバッテリーの容量に比例しています。バッテリー容量はMX-30が35.5kWh、2008が50kWhと約2:3ぐらいの違いがあるので、同じJC 08モードでの満充電航続距離もMX-30は281km、2008は385kmとそれなりの差があります。
ただ今回はこの数字に合わせて、2車種で異なるルートを走ったこともあり、帰路の途中で一度急速充電をすれば余裕で往復可能でした。もちろん30分ぐらいの待ち時間は必要で、自宅の充電設備も必須ですが、一方でランニングコストはエンジン車の1/2〜1/3です。モビリティは選択肢が多いほど豊かになることを考えれば、どちらかを排除するのではなく、使用状況に合わせて選択できるほうが自然だと感じました。
走りの違いは雑誌を見ていただくとして、個人的に注目したのは電費、つまり電力消費率でした。JC08モードではMX-30が131kW/km、2008が140kW/kmとなっています。エンジン車の燃費がkm/リッターで表されるのに対し、こちらは欧州の燃費表示方法と同じで、燃費と同じkm/kWhとしたほうが分かりやすいと考えたので計算すると、MX-30が7.6km/kWh、2008が7.1km/kWhとなります。実電費は走行ルートに違いがあったためもあり、これ以上の差がつきました。
では他のEVはどうでしょうか。ここでは欧州のウェブサイトEV Databaseを紹介します。現在市販中あるいは市販予定のEVについて価格(cheapest)、電費(most efficient)、加速(quickest)、航続距離(longest)のランキングを見ることができます。電費の項をチェックすると、テスラがおおむね高効率であるなどメーカーによる性能差はあるものの、上位は小型車が占め、下位は大型の高級車や箱型ミニバンが並んでいます。
EV Databaseのウェブサイトはこちら
EVはこれまで、走行中に排気ガスを出さないことから環境に優しいと言われてきましたが、そろそろEVの中での環境性能の優劣に目を向けるべきでしょう。電気を作り出す機器を作り、その機器を動かすためにも相応のエネルギーが必要になるわけですから。本気で環境性能に言及するのであれば、エンジン車の燃費と同じぐらい、電費にも注目すべきではないでしょうか。
つまりエンジン車同様、EVもまた小さく軽いほうが環境に優しいと言えます。加えてモーターは超低回転で最大トルクを出すので、発進停止が多く低速で走るシティコミューターが向いています。逆に大量のバッテリーを搭載して航続距離の長さを売り物にしている大型高性能EVは、環境性能がさほど高くはないことを認識すべきでしょう。EVであればなんでも地球に優しいという風潮から、次のステップへの脱却が望まれます。
試乗したのはマツダ「MX-30」とプジョー「2008」、ほぼ同じボディサイズを持つ日仏のSUVです。MX-30のEV仕様は2リッター自然吸気エンジンのマイルドハイブリッド仕様、「e-2008」と呼ばれる2008のEV仕様は1.2リッターターボエンジンを積むガソリン仕様との比較になりました。
EV仕様の車両重量はほぼ同じだったので、満充電での航続距離はおおむねバッテリーの容量に比例しています。バッテリー容量はMX-30が35.5kWh、2008が50kWhと約2:3ぐらいの違いがあるので、同じJC 08モードでの満充電航続距離もMX-30は281km、2008は385kmとそれなりの差があります。
ただ今回はこの数字に合わせて、2車種で異なるルートを走ったこともあり、帰路の途中で一度急速充電をすれば余裕で往復可能でした。もちろん30分ぐらいの待ち時間は必要で、自宅の充電設備も必須ですが、一方でランニングコストはエンジン車の1/2〜1/3です。モビリティは選択肢が多いほど豊かになることを考えれば、どちらかを排除するのではなく、使用状況に合わせて選択できるほうが自然だと感じました。
走りの違いは雑誌を見ていただくとして、個人的に注目したのは電費、つまり電力消費率でした。JC08モードではMX-30が131kW/km、2008が140kW/kmとなっています。エンジン車の燃費がkm/リッターで表されるのに対し、こちらは欧州の燃費表示方法と同じで、燃費と同じkm/kWhとしたほうが分かりやすいと考えたので計算すると、MX-30が7.6km/kWh、2008が7.1km/kWhとなります。実電費は走行ルートに違いがあったためもあり、これ以上の差がつきました。
では他のEVはどうでしょうか。ここでは欧州のウェブサイトEV Databaseを紹介します。現在市販中あるいは市販予定のEVについて価格(cheapest)、電費(most efficient)、加速(quickest)、航続距離(longest)のランキングを見ることができます。電費の項をチェックすると、テスラがおおむね高効率であるなどメーカーによる性能差はあるものの、上位は小型車が占め、下位は大型の高級車や箱型ミニバンが並んでいます。
EV Databaseのウェブサイトはこちら
EVはこれまで、走行中に排気ガスを出さないことから環境に優しいと言われてきましたが、そろそろEVの中での環境性能の優劣に目を向けるべきでしょう。電気を作り出す機器を作り、その機器を動かすためにも相応のエネルギーが必要になるわけですから。本気で環境性能に言及するのであれば、エンジン車の燃費と同じぐらい、電費にも注目すべきではないでしょうか。
つまりエンジン車同様、EVもまた小さく軽いほうが環境に優しいと言えます。加えてモーターは超低回転で最大トルクを出すので、発進停止が多く低速で走るシティコミューターが向いています。逆に大量のバッテリーを搭載して航続距離の長さを売り物にしている大型高性能EVは、環境性能がさほど高くはないことを認識すべきでしょう。EVであればなんでも地球に優しいという風潮から、次のステップへの脱却が望まれます。