THINK MOBILITY

モビリティジャーナリスト森口将之のブログです。モビリティやまちづくりについて気づいたことを綴っています

2018年01月

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大雪=走らないという選択肢もある

今週月曜日の昼頃から関東地方に降りはじめた雪は、東京で23cmの積雪を記録するまでになりました。この大雪で交通も大きく乱れました。特に道路は、首都高速道路の山手トンネルで10時間の立ち往生が発生したほか、各所で通行止めや渋滞に見舞われました。

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あれから一週間近く経って、幹線道路の雪はほぼなくなりました。しかし環状7号線を訪れると、代わりに路肩にグレーの粉塵が溜まっていました。車両が通過するたびに粉塵が巻き上げられ、視界が霞むこともありました。タイヤチェーンが路面を傷つけることでアスファルトが粉塵になり、それが路肩に積もっていたのです。

思い返せば数日前まで、この道にはチェーンを装着したトラックやバスなどが(乗用車はわずかでした)通常に近いペースで走っていました。これでは道路が削れ粉塵を巻き上げて当然でしょう。もちろんスタッドレスタイヤとて万能ではなく、用心しての走行が前提ですが、それを含めて大雪でも通常どおりに車両を走らせることがそこまで大事なのかという気持ちになりました。

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こういうときだけでも自動車の数がいつもより減れば、除雪や立ち往生車両の撤去もはかどったのではないかと想像します。それができないのは東京への一極集中とトラックに依存した物流、そして大雪の時でも通常どおりの生活にこだわろうとするマインドが原因ではないかと感じるようになりました。

自分が所有する乗用車には昨年末、久しぶりにスタッドレスタイヤを装着しましたが、大雪後は今日になって初めて走らせました。動かす理由がなかったからです。雪道で車の流れが遅くなるのはしかたないことであり、公の場である道路が道路としての機能を保持するために「乗らない」という選択肢も考えるべきでしょう。

SMART DRIVER FORUMに出演します

以前ブログで紹介した富山でのセミナー、本日無事に終了し、さきほど東京に戻ってきました。参加していただいた方々には、この場を借りて改めてお礼申し上げます。

今回は次の出演情報について紹介いたします。3月1日に東京の虎ノ門ヒルズで開催されるSMART DRIVER FORUM(スマートドライバーフォーラム)に出ることになりました。

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SMART DRIVER FORUMのウェブサイト=https://www.smartdriver.jp/forum/

今回のフォーラムは、2007年に発足した「スマートドライバープロジェクト」の一環で、自動運転やシェアリングエコノミー、超高齢化社会など、道路やモビリティを取り巻く状況が大きく変わりつつある中、私たちの「交通安全」意識も変わっていくべきではないかと考え、開催に至ったとのことです。

発起人の小山薫堂氏をはじめとする錚々たるメンバーの中で、私はモビリティジャーナリストとして、移動する「人」視点での「新しい交通安全」を、国内外のさまざまな現場を見てきた経験から提案していきたいと考えているところです。チケットはすでにクラウドファンディングのCAMPFIREなどで受け付けています。

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個人的には以前、ある方から言われた「安全は自分から取りに行くもの」という言葉が印象に残っています。ルールの制定や技術の進化といった受身的な要素も大切ですが、やはり移動するひとりひとりの心がけが重要ではないかと感じているところです。

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ひとりでも多くの方々に参加していただき、「新しい交通安全」をいっしょに創り出していければと思っています。よろしくお願いいたします。

タクシー改革の光と陰

東京のタクシーが少しずつ新型に切り替わりつつあります。昨年10月、東京モーターショー開催直前に発表されたトヨタ自動車「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」が走りはじめているからです。トヨタでは2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックで国内外の観光客を輸送することも考慮しているそうで、2020年に1万台の普及を目指しているそうです。

今回に限らず、日本のタクシー改革は東京主導で行われています。以前のブログでこの点に懸念を呈した内容を書きましたが、今回は読売新聞のウェブサイト(YOMIURI ONLINE)でJPN TAXIに関する記事を執筆したこともあり、あらためて最新タクシー事情を取り上げました。

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YOMIURI ONLINEの記事=http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20180111-OYT8T50010.html?from=ytop_os1 

タクシーはあまり利用しないのですが、JPN TAXIは記事を書くためもあり乗ることにしました。平らな床と大きく開くスライドドアのおかげで乗り降りはしやすく、大きな窓のおかげで見晴らしも良好でした。シートはセダンのような着座姿勢で、直立気味に座るほうが乗り降りが楽だと思いましたが、静かさや乗り心地は現行型となるトヨタ「コンフォート」より上でした。

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*運転手さんの了解を得て撮影しています

シートの前には大きなディスプレイがあり、以前のブログで触れた事前運賃支払サービス「ジャパン・タクシー・ウォレット」のボタンも用意していました。さらにJPN TAXIはコネクテッド機能も充実しており、渋滞や工事、天候などの情報が逐一ビッグデータに送られます。これによりスムーズな車両運行が期待できます。タクシー呼び出しアプリとの連動で需要に応じた配車も可能となるでしょう。

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コネクテッド関連の取り組みからは、Uber(ウーバー)に代表されるライドシェアへの対抗心を感じます。一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会(全タク連)は以前から、ライドシェアを「危険な白タク」と見なして対抗姿勢を取ってきており、ウェブサイトで大々的にメッセージを掲げていたからです。

しかし最近、違う種類の白タクが問題となりつつあります。中国人をはじめとする外国人旅行者を対象とするワンボックスタイプの車両です。利用者はスマートフォンのアプリなどで自国の旅行会社に手配し、その会社が日本の運転手に連絡することで輸送を行なっているようです。遠隔操作型ライドシェアと言えるかもしれません。

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この新種の白タクについては、警察による取り締まりは行われているようですが、全タク連からのメッセージはUberのときほど明確ではなく、ウェブサイトにも関連する文言が見当たりません。想定外のライドシェアが登場して対応に苦慮しているのか、それ以外の理由があるのか詳細は不明です。

これだけ世界中でライドシェアというサービスが一般的になり、日進月歩で進化を続ける中で、執拗に否定し続ける現状は無理があると感じています。ただし日本は東京のような大都市と地方の過疎地域とで極端に交通事情が異なります。以前も書きましたが、ライドシェアは交通事情が貧弱な地域の足として活用してほしいというのが個人的な考えです。

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ただし新種の白タクについては最後の写真のように、交差点のすぐ近くで駐車を続けるなど、明らかに交通ルールを無視した車両が散見されるのも事実であり、この面の取り締まりは厳重に行うべきだと思っています。

東京駅前広場が美しくあるために

2018年が始まりました。今年も本ブログをよろしくお願いいたします。新年最初は昨年末に訪れた東京駅を取り上げます。

JR東日本では東京駅周辺地区の都市空間整備を進めており、赤レンガで有名な丸の内駅舎については2012年10月に開業当時の姿に復原する工事が完成しています。続いて2014年8月より工事を進めてきた丸の内駅前広場が、12月7日に全面供用を開始しました。

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駅舎中央を正面から見ると、自動車の姿がないことに気づきます。東京都と連携して進めた今回の整備では、広場の中央部に大きな歩行者空間を用意し、南北に交通広場を配置したのです。中央広場は皇居へと伸びる行幸通りとの一体感を持たせており、御影石を使った舗装などを統一しているそうです。

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駅前広間の南にある商業施設KITTEの屋上庭園から眺めると、中央に歩行者空間、南北に交通広場を配置したことが良く分かります。手前の南側は駅舎内にあるホテルの車寄せを含めて効率的にレイアウトしている印象です。

駅はもともと人が集う場所であったにもかかわらず、多くの駅前広場が自動車のための空間に変貌してしまっています。そんな現場を数多く見てきただけに、人を中心とした駅への回帰を心がけた姿勢に好感を抱きます。

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こちらは皇居から東京駅へ伸びる行幸通りです。並行して整備されたこちらも駅前広場と同じように、中央に幅広い歩道を確保しており、御影石を用いた舗装をはじめ、並木や照明など美しく仕上がっています。日本を象徴する道として内外から評価されるのではないでしょうか。

それだけに残念なのは極彩色のパイロンです。年末年始のイベントの準備だったようですが、行政は広告だけでなくこうした部分も規制してほしいですし、駅や道を利用するひとりひとりが景観とは何か、美しさとは何かを考えながら過ごすこともまた重要ではないかと思いました。
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