今週は京王電鉄の新型車両5000系の報道向け撮影会がありました。1963年に生まれた名車の数字を受け継ぐこの車両は、進行方向に向いて座るクロスシートと車体中央に向いて座るロングシートの両方に転換できる座席を採用することで、京王としては初めての座席指定列車でありながら、通常の通勤列車としても運行できることが特徴となっています。

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新型5000系は、運転席のガラスを傾斜させたスマートな先頭部、高尾山の木々の色や繊維の街・八王子の絹糸の感触をモチーフにしたシートなど、既存の同社の車両とは一線を画した個性的なデザインとなっています。ユニバーサルスペースをはじめ、無料公衆無線LAN、空気清浄機、電源コンセント、防犯カメラ、ステレオスピーカーなど装備も充実しています。

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また省エネ性能向上のために、やはり京王として初めて蓄電池を搭載。ブレーキ時の回生エネルギーを充電し、走行時に用いるとともに、停電時にはこの電力を使って近くの駅など安全な場所まで自力で移動する能力も備えています。この新型5000系、今年の9月からまず通常の列車として走り始め、来年春から座席指定列車としての運行を始めるということです。

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同様の車両はすでに東武鉄道や西武鉄道で走っており、以前からクロスシート車両を持っていた京浜急行は一部列車を同社初の座席指定とするなど、座って通勤できる列車が最近増えつつあります。もちろん「痛勤」とまで言われた過酷な通勤ラッシュを緩和するためです。

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今月は別の角度から同じ問題に向けたアクションも始まりました。東京都が通勤ラッシュ回避の働き方改革のひとつとして打ち出した「時差Biz」です。参加企業はフレックスタイムやテレワーク導入、シェアオフィス活用などを行い、鉄道事業者では東急電鉄が早朝に停車駅の少ない「時差Bizライナー」を走らせるなどの取り組みを行っています。

残念なのはこの時差Biz、7月25日までの期間限定政策となっていることです。前述したように新型5000系が座席指定サービスを始めるのは来年であり、東京都と企業・鉄道事業者の足並みが揃うには相応の時間が必要でしょう。粘り強く進めてこそ効果がある政策だと思っています。

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さらに以前のブログで書いたように、企業の地方移転への働きかけも希望します。大企業がここまで一都市に集中するのは先進国では珍しく、少子化問題などの原因になっていることは改めて書くまでもありません。通勤需要を抑えられれば座席指定通勤列車の活用範囲が広がり、多くの人が快適な移動を享受できます。東京都にとっては税収減につながるだけに気が進まないかもしれませんが、日本の中の東京という視点で考えてほしいところです。