LRTの車両は通常、他の多くの鉄道車両のように鉄の車輪で走ります。しかし札幌やパリの地下鉄、いわゆる新交通システムと呼ばれるAGT車両と同じように、ゴムタイヤを使った車両もあります。今回はその中から、フランスのパリ郊外を走るトラム5号線と6号線を紹介しましょう。
パリを中心とするイル・ド・フランス地域圏には現在トラムが8路線あります。 5号線は2013年、6号線は翌年開業し、鉄輪を用いた7・8号線も同じ時期に走り始めています。3号線が開通した2006年から10年足らずの間にここまで路線を増やしたことにまず驚きます。

5・6号線に導入されたゴムタイヤ車両はフランスのトランスロールというシステムを用いています。レールがないわけではなく、中央に案内軌条が1本ありますが、それでも整備費用は通常のLRTより少なくて済み、小回りが利くことに加え、ゴムタイヤによる加減速や登坂性能の高さも長所となっています。またタイヤは鉄輪に比べて荷重制限が厳しいので、結果として鉄輪車両より軽いことも特徴になります。

5号線はパリの北に隣接し、すでにLRT1号線が走っているサン・ドニから北に伸びています。 一方の6号線はパリの南西にあるシャティヨンから西へ向けて走ります。どちらも地下鉄の終点からさらに郊外に伸びており、鉄道が走っていなかった郊外と都心を地下鉄との連携で結ぶことで、パリの交通問題・環境問題を改善しようという目的があるようです。

いずれも一部区間を乗っただけですが、5号線は途中に徐行を必要とする橋があり、普通のLRTより軽量なゴムタイヤ車両のメリットが生きているようでした。一方の6号線は写真で分かるようにかなりの急勾配があります。一部の停留場はこの勾配の途中にあるので、鉄輪式の車両では発進が難しいでしょう。ゴムタイヤ式とした理由が理解できました。

ただし乗り心地はバスに近く、この点は鉄輪式LRTのほうが上です。レールが1本なので既存の鉄道への乗り入れもできません。最近世界各地で導入が進むBRT(バス高速輸送システム)と比べても、自在性で大きく劣ります。フランスのルーアンなど、自動運転技術を導入することでレールに近い効果を獲得したBRTもあります。
ただし輸送力の大きさではLRTはバスより優位です。車両の大きさ長さからくる存在感、レールがあるので決まった方向だけに進む安心感もバスでは太刀打ちできない部分です。私も初めて訪れる場所ながら不安なく乗ることができました。しかし現状が最良かと聞かれると断定はできません。電車とバスの中間を担うモビリティの研究は、今後もしばらく続いていくと思われます。
パリを中心とするイル・ド・フランス地域圏には現在トラムが8路線あります。 5号線は2013年、6号線は翌年開業し、鉄輪を用いた7・8号線も同じ時期に走り始めています。3号線が開通した2006年から10年足らずの間にここまで路線を増やしたことにまず驚きます。

5・6号線に導入されたゴムタイヤ車両はフランスのトランスロールというシステムを用いています。レールがないわけではなく、中央に案内軌条が1本ありますが、それでも整備費用は通常のLRTより少なくて済み、小回りが利くことに加え、ゴムタイヤによる加減速や登坂性能の高さも長所となっています。またタイヤは鉄輪に比べて荷重制限が厳しいので、結果として鉄輪車両より軽いことも特徴になります。

5号線はパリの北に隣接し、すでにLRT1号線が走っているサン・ドニから北に伸びています。 一方の6号線はパリの南西にあるシャティヨンから西へ向けて走ります。どちらも地下鉄の終点からさらに郊外に伸びており、鉄道が走っていなかった郊外と都心を地下鉄との連携で結ぶことで、パリの交通問題・環境問題を改善しようという目的があるようです。

いずれも一部区間を乗っただけですが、5号線は途中に徐行を必要とする橋があり、普通のLRTより軽量なゴムタイヤ車両のメリットが生きているようでした。一方の6号線は写真で分かるようにかなりの急勾配があります。一部の停留場はこの勾配の途中にあるので、鉄輪式の車両では発進が難しいでしょう。ゴムタイヤ式とした理由が理解できました。

ただし乗り心地はバスに近く、この点は鉄輪式LRTのほうが上です。レールが1本なので既存の鉄道への乗り入れもできません。最近世界各地で導入が進むBRT(バス高速輸送システム)と比べても、自在性で大きく劣ります。フランスのルーアンなど、自動運転技術を導入することでレールに近い効果を獲得したBRTもあります。
ただし輸送力の大きさではLRTはバスより優位です。車両の大きさ長さからくる存在感、レールがあるので決まった方向だけに進む安心感もバスでは太刀打ちできない部分です。私も初めて訪れる場所ながら不安なく乗ることができました。しかし現状が最良かと聞かれると断定はできません。電車とバスの中間を担うモビリティの研究は、今後もしばらく続いていくと思われます。