トライク(2輪車の後輪または前輪を2輪とした3輪車)の人身事故が相次いでいるというニュースが今週ありました。北海道新聞によれば札幌市で8月、親子3人の乗ったトライクが下りカーブを曲がりきれず、道路を飛び出して約3m下の林に転落。後部座席の妻が死亡し、サイドカーに乗っていた次女は一時意識不明の重体となったそうです。

トライクは道路交通法では普通自動車に区分されます。昔は数多く目にしたオート3輪の流れを汲んでいるようです。自動2輪車に側車を付けたサイドカーは2輪車扱いとなりますが、2輪車の後輪と側車の車輪を直結して2輪駆動としたものはトライクになります。札幌の事故車もこの構造だったようです。ただし一部のスクーターで実用化されている、左右輪の間隔が460mm以下と狭く車体を傾けて曲がるタイプは2輪車とみなします。

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運転免許もトライクは普通自動車免許、サイドカーは自動2輪免許と異なり、サイドカーで義務付けられるヘルメットの着用もトライクは奨励レベルに留まります。前述の事故では3人とも被っていなかったそうです。一方道路運送車両法では2輪車扱いなので車庫証明は不要であり、250cc以下は車検もありません。昔の法律に当てはめた結果、分かりにくい状況になっていることがお分かりでしょう。 

筆者は中型自動車免許と大型自動2輪車免許を取得しており、トライクに乗ったことも何度かあります。その経験から言えば、見た目は2輪車の発展形という印象を受けるのに対し、ハンドルを切り車体を傾けずに曲がっていく操縦感覚は4輪車に近いものです。なので普通自動車免許が必要という現状には納得していますが、運転姿勢は2輪車に近く、コーナーの限界は低くなるので、4輪車のスキルがそのまま通用するわけではないという印象も持っています。

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さらにトライクは4輪車とは逆に、人間の体が車体の外側にあります。シートベルトやエアバッグはありません。この状況を考えればヘルメットをはじめ、2輪車に近い装備を身につけるべき乗り物であると考えるのは当然でしょう。サイドカータイプのトライクの側車に乗る人についても同じことが言えます。
 
トライクには2輪車の爽快感と4輪車の安定感を兼ね備えた魅力があります。それ自体を否定するつもりはないですが、双方の短所を持ち合わせているとも言えます。やはり現状に見合ったカテゴリーを新たに作り、運転免許試験場や自動車教習所で相応の技能試験を実施すべきではないでしょうか。それがこの独特の乗り物を育てるうえでプラスになると思っています。