仕事で初めてニューヨークを訪れました。観光をする暇はほとんどなかったのですが、マンハッタンのホテル周辺を歩いてみると、他の大都市とはひと味違う道づくりをしていることが分かりました。

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マンハッタンは川に囲まれた南北に細長い島で、面積は東京の山手線内とほぼ同じ。碁盤の目のような道は19世紀初めに整備されたそうで、比較的新しい街であることが分かります。特徴は多くの道が一方通行であること。大阪市などにも見られますが、おかげで車線を多く取ることができています。

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多くの道ではその車線を自転車レーンに活用していました。それも駐車・駐輪スペースの外側に設置してあるので、駐車スペースに出入りする自動車との接触も防げそうです。さらにテーブルやイスを置いて歩行者のための小さな広場としている場所もありました。近年治安が良くなったことで、このような取り組みが可能になったのかもしれません。

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サインや標識が整理されていて見やすいことにも好感を抱きました。下の写真の縦長の案内図は全体図と拡大図、主な場所の方向を簡潔に示してあり、とても見やすいものでした。バスレーンやバスシェルターが整備してあることも分かります。駐車禁止などの標識は簡潔な表現の文字で示すものが多く、景観に溶け込ませようという工夫を感じました。

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このように歩行者や自転車にとっては優しい街である一方、自動車は各所で渋滞が発生しており、走りやすいとは思いませんでした。特に島の外側とを結ぶ道路は、東側のイースト川は6本、西側のハドソン川は州が異なる(ニュージャージー州)こともありわずか3本しかなく、写真のリンカーントンネルは入口上の導入路のさらに奥から車列が続いていました。

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ニューヨークはマンハッタンとそれ以外の地域とで景色がまるで違います。自動車中心のまちづくりは景観を均質化すると多くの専門家が指摘していますが、ニューヨークはルドルフ・ジュリアーニ元市長が治安改善に尽力し、歩行者や自転車に優しいまちづくりを進めたことが、マンハッタンの魅力をさらに引き上げているように感じました。