毎年この時期、東京の渋谷ヒカリエで開催している「超福祉展」に行ってきました。自分にとってひさびさの超福祉展でもっとも印象に残ったのは、車いすの充実ぶりでした。ここでは会場に置いてあったいくつかのモデルを紹介します。なお最近、車いすをパーソナルモビリティと呼ぶこともありますが、今回のブログではそうした呼び名を知らない人にこそ読んでほしいと思い、あえて車いすと記します。

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まずはオフィス家具で有名なオカムラの「ウェルツ セルフ」。座ったままでスムーズに移動できることを考えたチェアで、大型車輪を重心付近に置いたことでその場での旋回がしやすく、フレーム形状を工夫して足元を広くすることで足こぎ移動をしやすくしたそうです。なによりも通常のオフィスチェアと並べても違和感のない洗練されたデザインに感心します。

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次は自動車や二輪車で有名であり、電動カート(シニアカー)のトップメーカーでもあるスズキのコンセプトモデル「kupo」です。写真で分かるように1台で電動車いすと電動アシスト手押し車の2役を備えています。手押し車のときはいすを畳んで荷台にするだけでなく、踏み台も格納されるなど良く考えられています。早期の市販化を希望します。

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こちらはパラリンピックのオフィシャルサプライヤーでもあるRDSが展示した「WF01」。フォーミュラカーのようなカッコいいデザインと最先端のテクノロジーを融合させた車いすです。ミニ四駆のようにさまざまなパーツを装着して、自分の用途に合った形状や機能にカスタマイズ可能としているところも新鮮で、車いすという枠にとらわれない使い方ができそうです。

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スタイリッシュな車いすと言えば2015年、私が審査委員を務めるグッドデザイン賞で大賞を受賞したWHILL Model Aをまず思い出します。あれからわずか3年で、デザインにこだわったモデルがこれだけ登場したのは喜ばしいことです。一昔前まで、車いすは歩行が困難な人が仕方なく乗るというイメージでしたが、ここに紹介した3台なら健常者でも進んで使いたくなるのではないでしょうか。

車いすは歩行が困難な人だけの乗り物ではありません。少し前に紹介したニュータウンやショッピングモールなど、広い敷地内での移動を快適にするためのツールでもあります。そのためにもデザインの力で敷居を低くすることが大事だと考えます。パーソナルモビリティという言葉を使わなくても、車いすというだけで多くの人がカッコいい姿を想像できるようになれば理想です。超福祉展は13日まで開催中。気になる方は足を運ぶことをお勧めしておきます。