軽トラックの荷台を店舗に見立て、運んできた地場産の新鮮野菜などを対面販売する特設の朝市、軽トラ市。先月、栃木県宇都宮市のオリオン通りで第5回全国軽トラ市が開催されたので覗いてきました。東洋経済オンラインで記事にしているので、気になる方は見ていただきたいですが、自分自身、軽トラ市を実際に見たのは初めてであり、いろいろ感心する部分がありました。

IMG_5987
東洋経済オンラインの記事 = https://toyokeizai.net/articles/-/253995

軽トラはもともと荷物を積んで運ぶための乗り物です。その荷台を店舗に仕立て、60台以上を一列に並べて商店街を作ったシーンにまず圧倒されました。軽トラの荷台が買い物に最適な高さであることにも気づきました。自作の棚でディスプレイを工夫したり、アルミでボックスを作ったり、楽しみながら店を営んでいることも伝わってきました。

IMG_5995

現在はさまざまな形態の移動販売車を目にしますが、多くは販売専用に設計された車両で、それ以外の用途に使うのは難しそうです。しかし軽トラ市に参加した車両は、終わったら残った商品やディスプレイを積んで帰り、翌日からは本来の作業に従事することができます。本業に支障を与えず、新たな役目を持たせているわけで、2005年に最初に軽トラ市を開催した岩手県雫石町の人々の発想に感心しました。

IMG_6020

しかも軽トラ市は地方のにぎわいを創出しています。宇都宮市は人口50万人以上の県庁所在地ですが、以前、平日昼間に訪れたオリオン通りは閑散としていました。それだけに集客力には驚きました。軽トラのみならず、両側に並ぶ商店を覗く人も多く見られました。一方の参加者は軽トラの機動力を活かし、県外からのエントリーも目につきました。過疎化に悩む地域こそ効果が大きいのではないかと感じています。

IMG_5984

気になるのは軽トラ所有者の高齢化と後継者不足です。農村部に共通する悩みですが、軽トラは運転という行為が加わるので、よりシビアな問題になります。ただ生産者と消費者が直接顔を合わせて買い物をすることも軽トラ市の魅力であり、無人運転車ではこの雰囲気は表現できないでしょう。近年は若者がフリーマーケット的に趣味の品物を販売する例も増えているそうなので、今のにぎわいを保ったまま世代交代していってほしいと思っています。