JR北海道が東京急行電鉄(東急)と連携し、北海道で観光列車を走らせようと計画しているというニュースが昨日ありました。東急からの正式発表はありませんが、現在JR東日本と伊豆急行を直通運転し、横浜と伊豆急下田を結ぶ東急の観光列車「THE ROYAL EXPRESS(ザ・ロイヤルエクスプレス)」のような車両を考えており、早ければ2020年にも走らせたいとのことです。

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伊豆急は東急グループなので、東急の観光列車が走るのは理解できます。横浜発着というのも東横線の終点であることを考えれば妥当です。しかし今回報じられた観光列車が走るのはJR北海道の路線で、東急グループとは無関係です。

JR北海道の経営状況が芳しくないことは以前も書きました。改善のための手段として収益率の高い観光列車は有望ですが、今のJR北海道が自力で観光列車を開発するのは難しいという気がしています。そこで東急との連携という話が出てきたのだと思います。THE ROYAL EXPRESSは温暖地域を走る直流電車なので、JR北海道の車両ベースということも考えられるでしょう。

東急グループは北海道と無縁ではありません。札幌でバスを運行する「じょうてつ」(旧定山渓鉄道)を傘下に持ち、札幌にはホテルや百貨店、ニセコにはスキー場やリゾートホテルを構えるなど、道内でも多彩な展開をしています。ハードとしての交通だけでなく、まちづくりやレジャーといったソフト分野に強みを持つことも、観光プロジェクトに向いているのではないかと考えています。

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さらに東急は近年、空港運営に積極的に参加しています。2016年から仙台空港に関わり、今年4月からは静岡空港も運営開始。さらに今年7月に優先交渉権者が決定予定の北海道内7空港(新千歳・稚内・釧路・函館・旭川・帯広・女満別)の特定運営事業公募にも応募しています。

北海道7空港については、東急は新千歳空港ターミナルビルを運営する北海道空港や三菱地所、日本政策投資銀行などと企業連合を組み、仏バンシ・エアポートとオリックスなどの連合、仏パリ空港公団と加森観光、東武鉄道、東京建物などの連合とともに第一次審査を通過。しかしバンシ・オリックス連合が台風で被害を受けた関西国際空港の復旧と対策に全力を注ぎたいということから辞退し、北海道空港陣営とパリ空港公団陣営の一騎打ちになっているとのことです。

まだ北海道7空港の運営参加が決まったわけではありませんが、これまで札幌中心のネットワークを構築してきたJR北海道の特急列車に対し、東急の観光列車については新千歳空港を核としたネットワークとなることを望みます。北海道を観光で訪れる人の多くが飛行機を利用しているからです。一部で報道されている新千歳空港駅の機能強化が、この観光列車を契機として推進されることも期待します。

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2030年度に札幌延伸予定という北海道新幹線と競合するという意見も出そうですが、そうは思いません。JR東日本が検討している東北新幹線盛岡~新青森間の最高速度引き上げが実現すれば、東急がリゾート施設を構えるニセコは東京からの所要時間が飛行機利用と同等になります。ニセコの最寄駅である倶知安までの先行開業を望む声もあるほどです。新幹線は雪に強いことも知られています。旅の選択肢が増えるのは好ましいことだと思っています。