参議院議員選挙の選挙戦が繰り広げられている今週、朝日新聞京都版の記者の方から現地の地域交通事情の説明を受けたうえで、今後に向けての意見を求められました。内容は記事に掲載されたので、京都の方はご覧になったかもしれません。

京の課題公共交通2

出来上がった紙面を見ながら感じたのは、日本でもモビリティが国政選挙の争点のひとつに取り上げられるようになってきたということです。これまでも自治体の首長や議員の選挙では話題になりましたが、国会議員の選挙でこのように取り上げられるのはあまり記憶にありません。

それだけ今の地方の交通事情が厳しいということであり、今年の春以降、相次いで報道された高齢ドライバーによる交通事故報道も関係していると思います。高齢ドライバーの事故ばかり取り上げることに批判の意見もありますが、地方の交通事情の課題を浮かび上がらせることには貢献したと思っています。

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京都府は縦に長く、南寄りに位置する京都市は面積では府の2割弱にすぎないですが、人口は過半数を占めます。裏返せば、以前このブログで取り上げた京丹後市をはじめ、多くの地域が過疎化や高齢化に悩んでいます。

京丹後市を紹介したときに書いたように、京都には交通に精通した担当者がいたことが、多くの交通改革につながっています。新聞記事では久御山町や宇治市の取り組みが紹介されていますが、それ以外でも笠置町・和束町・南山代村を走る「相楽東部広域バス」、福知山市三和町の「みわ ひまわりライド」など、積極的な策を打ち出しています。

しかし京丹後市を訪れた感想を言えば、財政や人材に余裕がなく、ギリギリの状況でもあります。その窮状を身をもって感じ、国に伝えるためにも、地方選出の国会議員の役割は重要です。なので選挙戦のテーマに上がるのは好ましいですし、比例代表でも交通問題に言及している政党があり、風向きの変化を感じるところです。

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それだけに私が住む東京の選挙区で、モビリティを取り上げる候補者がほとんどいないのは残念です。東京の交通にはさして問題はない、つまり票にならないと思っているのでしょう。近年の欧州各国の首都の交通改革を知るだけに、こんなことで大丈夫なのかと心配になります。

自治体の首長が交通に明るければいいのですが、現在の東京は逆です。公共交通が発達しているのに、本来であれば地方が先に実施したい交通事故防止装置への補助を、潤沢な財源を後ろ盾に導入しようとしています。まちづくりでも、投資目的で買う人が多いというタワーマンションの建設は野放しに近い状況です。
 
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それ以上に懸念するのは一極集中です。総務省が先日発表した、住民基本台帳に基づく人口動態調査では、人口が増加したのは6都道府県で、うち4つが首都圏に位置しています。これは地方の公共交通維持だけでなく、子育てや福祉(公共交通も福祉の一部ですが)などの分野にも影響を及ぼしていると思います。 

今回の参院選で東京選挙区の定員は6。四国4県合計の2倍です。徳島県と高知県は独自の議員が出せません。欧州諸国に比べて高すぎる報酬、少なすぎる議員数を改めるべく、報酬を半分にする代わりに議員数を倍にすればアンバランスは少し抑えられますが、現状のままでは地方は先細りするばかりです。当選の暁には東京の交通に目を向けることはもちろん、国としてのバランスを考えて任務に当たってほしいと思います。