最近のブログでも紹介してきたように、先週末から浜松、富山、神戸の3箇所で講座を持つ機会に恵まれました。参加していただいた方には、この場を借りてお礼を申し上げます。今回はその中から、2011年に書籍「富山から拡がる交通革命」を執筆以来6度目の訪問になる富山から、富山駅周辺の最新情報をお届けします。

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上の写真で、2015年の北陸新幹線開通と同時に駅下に乗り入れを始めた市内電車の富山駅停留場の奥が、明るくなっていることがお分かりでしょうか。富山では2006年、廃止が議論されていたJR西日本富山港線が第3セクターの富山ライトレール運営によるLRTに生まれ変わりましたが、この計画時点で富山駅南側を走る富山地方鉄道の市内電車(富山軌道線)との直通運転を行う構想はありました。それが実現に近づきつつあるのです。

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市内電車の富山駅停留場が営業を開始した頃、在来線のホームはまだ地平にありました。そこでまずこれらのホームを高架化し、続いて市内電車と富山ライトレールの線路をつなげるというプロセスで工事が進んでいます。合わせて従来は地下だった南北連絡通路も地平になり、かなり楽になりました。富山ライトレールの富山駅北停留場は仮設ホームになっていましたが、直通後は撤去され、新幹線ホーム下の停留場に統一されることになります。

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また今年5月には、富山ライトレールと富山地方鉄道が合併し、富山地方鉄道が存続会社になることを発表しており、10月には運行ルートと運賃が明らかになりました。富山ライトレールの電車はすべて市内電車に乗り入れ、朝のラッシュ時は市内電車の終着駅まで直通運転。昼間は環状線への直通運転も行います。そして運賃(大人)は現金が210円、ICカードが180円で据え置かれます。つまり単なる直通運転ではなく、欧米の都市交通のような運営と運賃の一元化が実現するのです。

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地元の人に話を聞くと、環状線開通以来にぎわいが戻ってきている中心部の繁華街は、富山ライトレール沿線から乗り換えなしで行けることになるわけで、お客さんの増加が期待できるとのことでした。逆に市内電車沿線の住民が、富山ライトレール沿線の観光地にスムーズに行けるメリットもあります。いずれの場合も余計な出費はありません。これは沿線の企業や学校、公園など多くの施設について言えることです。市民の行動範囲が拡大し、まちが活性化することは間違いありません。

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富山ライトレールの成功を機に、福井では路面電車の改革が実行に移され、利用者増加などの効果を上げています。宇都宮ではLRT新設の工事が始まり、岡山では富山と同じようにJR線転換の動きがあります。しかし先駆者である富山は、さらに一歩先を目指そうとしていることがお分かりでしょう。やはりこの都市の交通改革からは今後も目が離せません。