12月10日から大阪メトロで、日本の鉄道では初めて顔認証を用いた次世代改札機の実証実験が始まりました。実験期間は2020年9月30日までの予定で、長堀鶴見緑地線ドーム前千代崎駅、中央線森ノ宮駅、堺筋線動物園前駅、御堂筋線大国町駅の一部の改札口付近で、大阪メトロ社員を対象としたものです。

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大阪メトロでは2024年度に全駅で顔認証によるチケットレス改札の導入を目指しているそうで、今回は実用化に向けた課題抽出や検討基礎データを取得するとのことです。4駅としたのは、協力企業が4社あるからで、4駅それぞれで異なる改札機を試験導入することで、機能性や利便性でデザインについて比較検証していくとしています。

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導入目標時期から考えても、2025年の万博開催を視野に入れていることはあるかと思いますが、大阪は日本で初めて自動改札機を導入した地でもあります。交通分野に関して先進的な考えを持っている人が多いのかもしれません。

私はまだ実験現場を見たことがなく、そもそも大阪メトロ社員ではないので利用できないですが、11月27〜29日に千葉県の幕張メッセで開催された鉄道技術展に、今回大阪メトロの実験に協力した企業を含め、いくつかの企業が顔認証の展示を行っていたので、展示物を見るとともに担当者に話を伺いました。

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顔認証は米国や中国などが進んでいるようですが、わが国でも近年、オフィスや空港のセキュリティゲートで導入が進んでいます。今回の大阪メトロの実証実験は、こうした場での経験を応用したもので、改札口をオフィスや空港のゲートのに見立てて稼働させるものです。

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個人情報漏洩が気になる人もいるでしょう。実際わが国でも、大手タクシー配車アプリが乗客の顔を無断で撮影し、広告配信に利用していたうえに、政府の個人情報保護委員会からの指導に迅速に対応しなかったために、再度指導を受けるという事例がありました。顔認証先進国と言える米国や中国でも、情報漏洩による問題が起きており、日本はデータセンターの信頼性やハッカー対策で弱い面があるので、心配はしています。

しかしながら、私たちが家から一歩外に出ただけでも顔情報は外部に漏洩しており、スマートフォンでアプリを使用すればその情報は通信会社が把握しています。現代社会で一般的な生活を送る限り、何かしらの情報が流出するのは当然のことと考えるべきでしょう。大切なのは、パブリックな情報とプライベートな情報を線引きし、後者については厳重に保護をしたうえで、パブリックな情報は利便性や快適性のために活用していくことではないでしょうか。

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個人的には現在使っているiPhoneが顔認証なので、抵抗感はありません。むしろ利便性を感じています。指操作なしに操作できるのは便利だからです。鉄道の改札口についても、従来は切符やIC乗車券などを取り出す必要がありましたが、顔を見せるだけで通過できるようになれば、両手に荷物を持っている際など便利に感じるでしょう。車いすやベビーカー、松葉づえなどの利用者にとっては大きなバリアを除去する働きがあることも見逃せないと思っています。