2週間前にこのブログでも取り上げたセグウェイ生産終了のニュースは多くの人の注目を集めたようで、私のもとにもテレビの取材やウェブメディアの執筆依頼などがありました。自分の考えはあのとき書いたとおりで、走れる場所がないから普及しなかったというよりも価格の高さ、ユニバーサル性能の低さ、電動キックボードの普及が大きく関係したと思っています。

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もちろん日本は現在、電動キックボードは原動機付自動車(原付)登録であり、車両は保安基準を満たし、利用者は運転免許証を携帯しヘルメットを着用する場合に限り公道走行が認められ、走行場所も車道に限定されています。免許もヘルメットも不要で、主に自転車道を走行することになっている欧米とは大きく違います。厳しい状況に置かれている点はセグウェイと同じです。

ただセグウェイと違うのは、以前取り上げたように、国のサンドボックス制度に認定され、実証実験で得られた情報やデータを用いて規制の見直しにつなげていく動きがあることです。さらに先月開催された自由民主党MaaS議連(モビリティと交通の新時代を創る議員の会)のマイクロモビリティPTでは、国内電動キックボード事業者などで構成されるマイクロモビリティ推進協議会の各社同席のもと、普及に向けた規制緩和などについての提言案が議論されました。

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Bird = https://www.bird.co

この場では電動キックボードが、ラストワンマイル問題を解決する手段だけでなく、新型コロナウイルス感染拡大予防にも有効と指摘しています。それを踏まえたうえで欧米並みの普及を目指すべく、関係省庁が連携して早期に規制緩和を実現すること、シェアリングに関しては今年秋頃より自転車道や自転車レーンを含めた公道で走行できるよう特例措置を講じること、国家戦略特別区域法に基づく特例措置について来年前半を目途に結論を得ることなどを求めています。

都市部での「三密」を避ける交通手段として、マイクロモビリティの選択肢が増えるのは良いことであり、賛同するところではありますが、それには日本の道路のルール、とりわけ自転車を含めたマイクロモビリティについての部分を根底から変えないといけないとも思っています。

ウェブメディア「FORZA STYLE」でも書かせていただきましたが、1970年の道路構造令改正で自転車道とともに自転車歩行者道(自歩道)が制定されたことが大きいと思っています。自転車は馬車や人力車などと同じ軽車両なので、道路交通法では原則として車道左端を走るというルールがありながら、歩道も通行可能とするダブルスタンダードになったのです。しかも自歩道については歩行者同様、道路のどちら側を通行するかという規定はありません。



最近になって歩道での歩行者と自転車の接触事故が目立つようになったことを受けて、警察庁は2007年、「自転車安全五則」を発表しました。通行場所については車道が原則・歩道は例外とし、車道は左側を通行、歩道は歩行者優先で車道寄りを通行するように定めました。ただ歩道を通行して良い例外として掲げた項目がかなり多く、実質的に今までとさほど変わらぬ状況であると感じています。

これでは勝手気ままな通行をする自転車が出てきてもしかたがないと感じますし、自転車道やレーンの整備が進まず、警察の取り締まりが甘いのも、この状況が関係しているのではないかと思っています。現在の議論から察するに、電動キックボードも軽車両に含まれると予想します。今の自転車のルールをそのまま適用すると、かなりの混乱が生じることは目に見えています。

自歩道の標識

混乱を避けるにはどうするか。自歩道が誤りだったと認めて廃止していくとともに、自転車道や自転車レーンを軽車道、マイクロモビリティレーンなどと呼び名を変えたうえで、積極的に整備していくべきでしょう。幸い国土交通省は前回紹介した「2040年、道路の景色が変わる」で、小型モビリティやモビリティサービスにも言及しています。コロナ禍は社会を変える絶好の機会と言われています。それは道路も例外ではないと思っています。