新型コロナウイルスの流行が続く中、感染防止が期待できる移動手段として注目されているのがマイカーです。とりわけ公共交通が貧弱な地域が多く、生活するうえでマイカーが不可欠という場所が多かった地方は、工場などテレワークが難しい仕事場が多いこともあり、感染防止の観点から自動車通勤を奨励している会社もあるようです。

東京などの大都市でも、人口密集地域ゆえ感染率が高いこともあり、自動車移動に切り替えた人がいるようです。そのためか、いままで以上に渋滞する道路が多くなりました。逆に鉄道やバスなどの公共交通は感染を恐れる利用者が多いことから、大きな落ち込みを示しています。では公共交通と同じように、不特定多数の利用者が使うカーシェアリングはどうなのでしょうか。先月ウェブメディア「現代ビジネス」で記事にしたパーク24を例に紹介します。

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パーク24というとタイムズの駐車場がおなじみですが、カーシェアでも国内市場の約4分の3と圧倒的なシェアを占めます。その動向を見ると、車両台数は昨年12月の2万7236台に対して今年6月は2万7623台、貸出拠点数は1万2762か所に対して1万3034か所と、昨年までのような伸びはないものの、減ってはいないことがわかります。会員数も着実に増加しているとのことで、私の自宅の近くでも台数は増えており、約半数は使用中という状況です。

ところが同社が手がけるタイムズレンタカーは対照的で、昨年末と今年6月を比べると台数は3万634台から1万6977台、拠点数は380か所から364か所と、台数については半減に近い状況です。インバウンドを含めた旅行者の大幅な減少が大きく影響したレンタカーに対し、仕事や買い物など日常的な利用が多いカーシェアは影響が少なかったと言えそうです。



感染を避けてマイカー移動に切り替える動きが出ていることは最初に書きました。しかし先が見えない状況で、購入という大きな決断は下しにくいはずです。特に大都市では駐車場が月数万円になるなどハードルはさらに高くなります。コロナ禍で外出機会が少なくなったのでマイカーは不要と考える人もいるでしょう。とはいえ公共交通の移動は不安と考える人は根強いようで、パーク24が先月発表したアンケート結果では鉄道やバスなどの代わりに使ったという声が多く寄せられています。

もちろん感染対策は大切ですが、それは商店や飲食店を利用する時も同じです。パーク24では感染対策として、車内への除菌スプレー搭載、定期巡回時の清掃消毒作業強化を実施しているとのことです。加えて利用者自身が気をつければ問題はないと考えています。それでも同社では利用者が伸び悩んでいることを踏まえ、これまでにないサービスを提供しています。

8月1日までの期間限定で、通常は18時から翌朝9時まで2640円だった夜間利用サービス「ナイトパック」の料金を480円と大幅に引き下げたのに続き、8月3日から10月1日までは、このナイトパックをタイムズパーキング1回分の駐車料金を含めて880円で利用できるキャンペーンを、東京都世田谷区と大阪府吹田市で実施するそうです。会社の近くで帰宅時にカーシェアを借り、自宅近くの駐車場にひと晩止め、翌朝通勤時にオフィス近くで返却するという使い方ができることになります。

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駐車場付ナイトパックキャンペーンのニュースリリース = https://www.park24.co.jp/news/2020/07/20200731-1.html

日本のカーシェアは借りた場所に車両を返さなければならないルールになっています。本音を言えば欧州のように乗り捨て可能なルールを認めてほしいところですが、逆に言えば現状は目的地で駐車場を使うことになるわけです。現状のルールである限りカーシェアと駐車場の連携は必須であり、今回のキャンペーンは両方を運営する事業者の強みを生かしたものとして注目されそうです。