JR東日本が今週、来年春のダイヤ改正で終電時刻の繰り上げなどを行うと発表しました。新型コロナウイルス流行による利用者の行動様式の変化により、特に深夜時間帯の利用が大きく減少していること、夜間の作業体制改善の2点を理由として挙げています。減便によるコスト削減効果があまりないことは2週間前に書きましたが、運行時間短縮なら多少の削減も期待できます。

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具体的には主に東京100km圏の各路線で、終電から初電までの間隔を、作業の近代化や機械化を推進するために240分程度確保することを念頭に、各方面への終電時刻を現在より30分程度繰り上げ、終着駅の到着時刻をおおむね午前1時頃とする改正を行うとともに、一部線区では初電時刻の繰り下げも実施するそうです。

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終電繰り上げのニュースはこれが初めてではなく、先月26日にはJR西日本が同様の理由で、来年春のダイヤ改正で近畿エリアの主要線区を対象に、10分から30分程度終電を繰り上げるとしています。路線バスでも各社が終バスの繰り上げを実施しています。、深夜便の運休も目立っており、京王バスでは4月13日から、ターミナル駅と郊外を結ぶ深夜急行バスをすべて運休としています。

驚いたのは、今回の発表について賛否両論を公平に扱うメディアが多かったことです。終電繰り上げを否定する人も多いというメッセージと受け取りましたが、JR西日本が発表時に公開したアンケートでは、感染拡大後は下のように繰り上げに反対する人は大幅に減っています。別のインターネットのアンケートでも約8割が賛成となっていました。誤解を招くような報道は慎んでほしいものです。

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JR東日本では感染収束後も、利用者の行動様式は元に戻ることはないとしています。たしかにテレワークやネットショッピングが衰退するとは思えず、東京に限れば人口は減少局面にあります。とりわけ深夜は、勤め帰りに飲食店などに向かう人が減ったうえに、長時間マスクをつけずに狭い場所にいるのは感染が心配と思う人もいるでしょう。多くの人がコロナ前に戻りたいと願う中、メッセージの重さを感じました。

 

この決断を見て思い出したのは、以前このブログで紹介した国土交通省道路局の提言「2040年、道路の景色が変わる」です。進化とともに回帰という言葉が使われていたからです。今週インターネットメディアの「ビジネス+IT」で担当者への取材記事が公開されましたが、今回の終電繰り上げにも回帰の流れを感じます。大都市で深夜まで遊び続けることが豊かではない。そんな時代の変化を痛感します。