電動バイクのバッテリーを街中で交換できるようにすることで、車両価格を抑えるとともに電池切れや充電時間の心配をなくし、手軽にスマートなモビリティが楽しめるようにする。この構想を世界に先駆けてプラットフォーム化した台湾のGogoro(ゴゴロ)については、以前このブログで紹介しましたが、最近になって日本でも似たような動きが出てきました。

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まず8月19日(バイクの日)、大阪府と大阪大学、 日本自動車工業会(自工会)の二輪車特別委員会では、バッテリー交換式電動バイクの実証実験プロジェクト「e(ええ)やんOSAKA」を、大阪大学のキャンパスが位置する大阪府吹田市、豊中市、箕面市で今月から開始することになりました(プロジェクトでは二輪EVと称していますが今回は電動バイクで統一します)。



ちなみに昨年4月には、自工会の二輪車特別委員会を構成する川崎重工業、スズキ、本田技研工業、ヤマハ発動機4社が「電動二輪車用交換式バッテリーコンソーシアム」を創設しており、交換式バッテリーとその交換システムの標準化の検討を進めてきました。今回のeやんOSAKAには、このコンソーシアムが連携しています。
 
具体的には、大阪大学の学生や教職員に電動バイクを有料で貸与し、大阪大学吹田キャンパス、豊中キャンパスおよび周辺地域の提携コンビニエンスストア(ローソン)でバッテリーを交換。バッテリー交換式電動バイクが移動の社会インフラとして定着するための課題抽出を約1年間実施するそうです。今回の実証の結果を踏まえ、普及に向けて大阪府内での実証サービス拡大も検討していく予定です。

一方京都市は今月18日,関西電力,岩谷産業,日本マクドナルド、読売新聞大阪本社とともに「脱炭素社会を目指した電動バイクのバッテリーシェアリング推進協議会」を設立し、バイクの電動化および電動バイクのバッテリーシェアリングに取り組むと発表しました。こちらはまず、各事業者が配達や保安などで使うバイクの電動化を進め、来年4月以降に各事業者間のバッテリーシェアリングを実施。市民を含めた地域内バッテリーシェアリングも目指しているそうです。

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ウィズコロナで感染予防の観点からパーソナルモビリティに注目が集まっています。その中で自転車とともに人気を集めているのが二輪車で、自動車の販売台数が大きく落ち込んだ今年4〜6月も、前年比で増加した月がありました。自動車よりも車両も維持費も安価で済むのに対し、都市内での移動速度は自転車や自動車より速いという機動性の高さが再注目されているようです。



ただエンジン付きの二輪車は、排気ガスや音が気になるという人もいるはずです。電動ならその問題も解消できます。しかもバッテリー交換式とすれば、電動車両の欠点である航続距離の短さや充電時間の長さを解消できるわけで、都市内をスマートに移動できる乗り物のひとつになり得ます。

いずれにしても日本の4メーカーがバッテリーシェア標準化に向けてタッグを組み、自治体や大学、企業が協力を始めた状況は好ましいことです。このうちヤマハ発動機はGogoroとの協業を進めているので、日本の力と台湾の技を組み合わせた世界展開も期待したくなります。そのためにも大阪と京都で始まったプロジェクトが成功し、各地に展開していくことを望んでいます。