3月13日のJR各社ダイヤ改正を受けて、昨日いっぱいで定期運行を終えた鉄道車両がいくつかありました。もっとも注目を集めたのはJR東日本が東京~伊豆急下田・修善寺間に走らせていた特急「踊り子」に使われていた185系で、テレビのニュースで取り上げられるほどでした。

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それ以外にも、同じJR東日本では185系も起用されていた通勤ライナーの代表格「湘南ライナー」終了を受け、日本の通勤用鉄道車両では初となるオール2階建ての215系も定期運行を終了しました。JR西日本では七尾線で使われてきた415系が新世代車両にバトンタッチしました。

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215系は1992年登場と鉄道車両としてはキャリアが浅く、415系はまだJR九州で現役を務めているうえに、どちらも特急などの花形的な運用がなかったために、185系ほどのトピックにはなっていないようですが、昨日仕事で金沢駅を利用したところ、この日で仕事を終える415系にカメラを向ける人がいました。

道路を走る乗り物に目を移すと、今年になって2車種が販売終了をアナウンスし、最後の限定車を出しました。ヤマハ発動機のモーターサイクル「SR400」と、本田技研工業のスポーツカー「S660」です。しかしこの2台についてはユーザーの受け止め方の違いを感じています。SR400は惜別と感謝の気持ちで溢れているのに対し、185系などのラストランと同日に発表されたS600は、短期間で生産を終えたことへの非難も見られます。

理由のひとつは185系と同じ、キャリアの違いかもしれません。SR400は1978年発表以来、40年以上作り続けてきたのに対し、S660は2015年発表ですから、来年生産が終了すると、現役期間は7年です。とはいえルーツである「S500」から「S800」までと同程度作り続けたことにはなります。

それに短期間しか作らなかった、走らなかった車両でも、エンジニアやデザイナーが必死になって生み出したものです。私はそこに込められたものづくりの心に敬意を払いたいと思います。まして軽自動車規格の中で本物のスポーツカーを生み出したことは、文化的な視点でも評価すべきものでしょう。

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私が20年近く乗っているルノー「アヴァンタイム」は、わずか2年しか作られませんでした。製造を担当していた会社マトラがルノーとの関係を解消し、自動車事業からの撤退を発表したことが原因で生産を終えました。これに限らず、ものづくりが突発的な事態でストップすることは多くあります。新型コロナウイルスでもそういう事例はいくつもありました。
 
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たしかに当時、両社の決断に全面的に賛同したわけではないですが、この車種のコンセプトやデザインに対する共感の気持ちは、それとは別です。なので一報を聞いて手に入れることを決意。今なお満足しています。人とモノとの付き合いは、現役が長いか短いか、人気があったか否かで測るものではないと思っています。