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モビリティジャーナリスト森口将之のブログです。モビリティやまちづくりについて気づいたことを綴っています

コミュニケーション

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「MaaS・ライドシェア・自動運転と地域交通」セミナーのお知らせ

このブログでも簡単に告知させていただいた、11月21日のReVision Mobility第2回セミナー&交流会には、想像をはるかに上回る多くの方に来ていただきました。この場を借りてお礼を申し上げますとともに、年末に開催されるもうひとつのセミナーについて、個人的な思いを含めて紹介させていただきます。

12月27日13時30分から、東京の大田区産業プラザPIOで、日本福祉のまちづくり学会事業委員会と中央大学研究開発機構の主催で、「地域交通と情報技術〜MaaS・ライドシェア・自動運転と地域交通計画〜」というテーマのセミナーを開催することになり、その中で話をさせていただくことになりました。

ヘルシンキ中央駅前の路面電車
今回のセミナーについて紹介したサイト = http://www.fukumachi.net/2018/11/1227in.html

内容については上のリンクを参照していただければと思いますが、今回登壇するメンバーは今年9月、フィンランドの首都ヘルシンキでのMaaSスタディツアーに参加した面々でもあります。フィンランド交通通信省、ヘルシンキ市役所、MaaS Global社へのヒアリングをベースにした内容となります。似たようなテーマを取り上げた他の多くのセミナーと違うのは、ビジネス視点ではなく生活者視点であることでしょうか。

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MaaSやライドシェア、自動運転にビジネス的な魅力があることは否定しません。しかしビジネスは需要の多いところ、具体的には東京などの大都市周辺に集中する傾向があることは、既存のモビリティシーンはもちろん、他の分野を見ても明らかです。過度なビジネス重視は大都市への一極集中を推進させ、地域交通の疲弊がさらに加速していくのではないかと危惧しています。

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セミナーは日本福祉のまちづくり学会の中で、私も所属している地域交通特別委員会が、事業委員会とのジョイントで開くものです。高齢化や過疎化に悩む地域住民の生活保障を実現する手段としてのモビリティの提供方策を明らかにすることを目的に、新たな地域交通システムの実証や社会実装の推進を目指しているメンバーが、フィンランドでの知見を生かしての内容になると考えています。

繰り返しになりますが、MaaSやライドシェア、自動運転に関するセミナーがあまたある中で、生活者視点というのは希少ではないかと思っています。年末の慌ただしい時期ではありますが、興味のある方は足をお運びください。よろしくお願いいたします。

交通は福祉の一部

私も所属している「日本福祉のまちづくり学会」第21回全国大会が、8月8日から今日まで神戸市で開かれました。今回は9日に「自動運転が地域交通に貢献する可能性」という題目で研究発表を行なった後、11日に 地域福祉交通特別研究委員会の一員として、「豊かな『くらしの足』を創り,育てる『のりしろ』を考える」というテーマで話題提供及び討論を行いました。

会場にお越しになった皆様、運営に携わった方々には、この場を借りてお礼を申し上げます。

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日本福祉のまちづくり学会ウェブサイト= http://www.fukumachi.net

自分にとって5年目となる全国大会参加は、まだまだ学ぶべきことが多いことを痛感しました。今回はまず、千葉県市原市の事例に驚きました。市原市は県庁所在地である千葉市の隣に位置しており、東京湾沿いは電車がひんぱんに走り工場や商店が並ぶのに対し、内陸部の市津地区は鉄道がないうえにバスが乗客減から廃止となり、地域住民が主体となってデマンドタクシーを走らせているというのです。

市津地区のデマンドタクシーは、実証運行から本格運行へと移行していく過程での内容改善が功を奏し、利用者数は増えているそうですが、東京都心から自動車で約1時間という場所が、日々の移動手段維持にも困っているという現実は、我が国の高齢化・過疎化の問題が大都市のすぐ近郊にまで迫っており、抜本的な対策が必要であるという気持ちになりました。

続いて本日の討論会では、私は近年我が国の地域交通に関連する制度改革に伴って誕生した新しいモビリティの技術やサービス、つまりこのブログで紹介してきた事例を報告したのですが、新しい技術やサービスが開発されれば問題が解決されるわけではないことは分かっています。高齢化や過疎化が進む現在では、これまでのように交通・福祉・コミュニティの取り組みを独立して進めていては問題は解決されず、のりしろを設けるように範囲を広げてみることが大事ではないかというメッセージが出されました。

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個人的には、交通は福祉の一部であるという認識を多くの人に持ってほしいと考えています。欧米ではすでに一般的な考えであり、福祉政策のひとつとして交通が位置付けられ、税金主体で整備や維持が行われます。しかし日本では住民のみならず、国会議員や地方議員でも選挙の際に交通に言及する人は稀であるばかりか、交通と福祉を対立軸に置き、赤字を計上する地域交通は無駄であり、同じ予算を高齢者に直接配分した方が有意義であるという主張さえ聞かれます。

たしかにそのほうが住民にとっては聞こえが良いでしょう。しかし人間は動物の一種であり、移動は人間の本能のひとつであると考えます。移動機会を増やすことで健康を取り戻したというエピソードは各所で目にします。世界屈指の高齢化社会であり、地方の過疎化も進む日本こそ、福祉の一部として交通を考え、積極的に整備と維持を進めていくべきではないか。全国大会が終わった今、改めてこの問題をアピールしていこうという気持ちになりました。

SMART DRIVER FORUMに出演します

以前ブログで紹介した富山でのセミナー、本日無事に終了し、さきほど東京に戻ってきました。参加していただいた方々には、この場を借りて改めてお礼申し上げます。

今回は次の出演情報について紹介いたします。3月1日に東京の虎ノ門ヒルズで開催されるSMART DRIVER FORUM(スマートドライバーフォーラム)に出ることになりました。

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SMART DRIVER FORUMのウェブサイト=https://www.smartdriver.jp/forum/

今回のフォーラムは、2007年に発足した「スマートドライバープロジェクト」の一環で、自動運転やシェアリングエコノミー、超高齢化社会など、道路やモビリティを取り巻く状況が大きく変わりつつある中、私たちの「交通安全」意識も変わっていくべきではないかと考え、開催に至ったとのことです。

発起人の小山薫堂氏をはじめとする錚々たるメンバーの中で、私はモビリティジャーナリストとして、移動する「人」視点での「新しい交通安全」を、国内外のさまざまな現場を見てきた経験から提案していきたいと考えているところです。チケットはすでにクラウドファンディングのCAMPFIREなどで受け付けています。

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個人的には以前、ある方から言われた「安全は自分から取りに行くもの」という言葉が印象に残っています。ルールの制定や技術の進化といった受身的な要素も大切ですが、やはり移動するひとりひとりの心がけが重要ではないかと感じているところです。

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ひとりでも多くの方々に参加していただき、「新しい交通安全」をいっしょに創り出していければと思っています。よろしくお願いいたします。

富山でモビリティの講演をします

ひさびさに講演のご案内です。来年1月20日、富山市の富山市民プラザで開催される「まちづくりセミナー2018」でお話をさせていただくことになりました。テーマは「モビリティ先進都市TOYAMA」です。

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セミナーのご案内=https://www.facebook.com/events/1517306118306072/

富山は自分にとって新たな進むべき道を示してくれた都市のひとつです。2011年、東日本大震災の影響で仕事が激減する中、5年前に開業直後の富山ライトレールを訪ねて感心したことを思い出し、一連のストーリーを本にまとめようと考えました。森雅志市長をはじめとする関係者の協力のおかげもあって、同年末に「富山から拡がる交通革命(交通新聞社)」として出版することができました。

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その後も富山には2012、2013、2016年に訪れ、先進的な取り組みをメディアなどで報告してきました。我が国の地方交通の多くが疲弊していく中、富山は独自の工夫と熱意によって、欧州の都市を思わせる公共交通を軸としたコンパクトシティを構築。日本の都市交通改革の牽引役となっています。そんな成功事例を目にしてきた経験は、自分の活動の中で重要なポジションを占めるようになりました。

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しかしそれは東京に暮らす人間が外野から眺めた印象でもあります。地元の方々はどのような感想を抱いているのか。今回は貴重な意見交換の場でもあると考えています。一方富山の都市交通を体験したことがない方は、これを機に実際に利用してみることで先進性を確認してみてはいかがでしょうか。ひとりでも多くの方とお会いできることを楽しみにしています。よろしくお願いいたします。

モーターショーの未来を考える

このブログでも出展内容を紹介した第45回東京モーターショーが11月5日に閉幕しました。10日間の累計入場者数は77万1200人で、約4万人の減少という結果が出ました。これを受けて一部のメディアでは、ショーのあり方についてさまざまな批判が出ていました。

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ただし世界の国際格式のモーターショーの入場者数を見ると、前回より増えているのは中国の上海ぐらいで、今年で言えば東京だけでなくデトロイト、ジュネーブ、フランクフルトも減少しています。昨年開催されたパリや北京も前回を下回っています。フランクフルトに至っては10万人以上という大幅減です。多くのモーターショーが入場者数を減らしているという事実をまず把握すべきでしょう。

これらの中で東京モーターショーと近い位置にあるのは、フランクフルトとパリだと思っています。いずれも大手メーカーがある自動車先進国で、一国を代表するショーとして開催されています。近年は他国の自動車ブランドの欠席が目立つ点も共通しています。ここで注目したいのはフランクフルトとパリで、近年ショーの方向性が大きく変わってきていることです。

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フランクフルトは自動車メーカーが発信する場という色彩を強めつつあります。今回で言えば電動化など先進的技術的なテーマを掲げ、プレスデーと一般公開日の間に業界関係者向けのトレードデーを用意していました。閉会後のプレスリリースでは随所にトレードショーという文字が登場し、関係者比率が35%に達したことをアピールしていました。

一方のパリは来年開催の次回、会場周辺のサーキットでスーパーカーや高級車を含めた試乗会を開催し、従来は別開催だった2/3輪車のショーを併催とすることなどで挽回を図ろうとしています。一方で東京やフランクフルトと同じように、IT系企業によるモビリティの新しいソリューションやサービスを体験できるコーナーも用意するとのことです。

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フランクフルトが目指しているのは、米国のハイテク系イベントとして注目が集まるCES(家電見本市)ではないかと予想しています。CESの入場者数は20万人以下であり、そもそも入場者数は重視していません。一方のパリはあくまでユーザー重視のエンターテインメント・ショーという立場にこだわっていることが伺えます。自動車を産業と考えるドイツ、文化と考えるフランスの違いでしょう。

では東京はどこを目指すのか。複数の関係者に聞いたところ、両方を目指すという答えが返ってきました。テクノロジー・ショーを掲げつつ業界関係者だけでなく一般ユーザーにもアピールしたいというスタンスだそうです。メッセージとしては弱くなるかもしれないが、日本が持つ文化の多様性を表現するようなモーターショーにしたいという言葉がありました。

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個人的にはテクノロジーとエンターテインメントを分けるのではなく、融合を目指してほしいという気持ちです。現に日本が世界をリードするパートナーロボットでは、両者を融合したプロダクトがいくつも登場しています。既存の自動車メーカーとIT系ベンチャーのモビリティの融合も進めてほしいところです。他国を含めて現状のモーターショーは自動車メーカー中心です。それがCESなどに注目が集まる理由になっていると考えています。

もうひとつ、世界が同じ方向に進みがちなエンジニアリングより、デザインを重視した方が独自性を発揮できるとも感じています。そもそもショーとは「見せる場」なのですから。今回で言えばトヨタの新型センチュリーやジャパンタクシー、マツダの2台のコンセプトカー、2輪車ではホンダ・スーパーカブやカワサキZ900RSなど、日本らしさを反映したデザインが出始めています。そして最後に、数を追うのはそろそろ止めにして、CESのように質を目指す方向にシフトしていくことを望みます。
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