先月と今月、立て続けに実証中の自動運転バスに乗りました。1月は岩手県陸前高田市のJR東日本大船渡線BRT専用道、2月は東京都多摩市の多摩ニュータウン内公道という、ともに高齢化という悩みを抱えている場所でした。なお前者については現在販売中の鉄道専門誌「鉄道ジャーナル」で記事を掲載しています。
この2つの実証には共通点がありました。先進モビリティが自動運転化した小型バスであることと、愛知製鋼が開発した磁気マーカシステムを使用していたことです。磁気マーカはGPSの役目を担うもので、トンネルや街路樹などによってGPSが受信できない場所でバスの位置を特定し、センサーや遠隔監視との併用で設定したルートを正確に走行するものです。
磁気マーカは最近生まれた技術ではなく、20世紀末に日米で高速道路での自動運転の実験に使われ、2005年の愛・地球博ではトヨタ自動車が開発したIMTS(Intelligent Multimode Transit System)が磁気誘導式鉄道として運行されました。しかし当時はコストや性能面に問題があり、その後の自動運転はインフラ設備を使わない自律型が主流になりました。
ところが愛知製鋼の技術者に聞いたところ、磁気を感知するセンサーの性能が上がり、安価なマーカを使えるようになったというブレークスルーがあったそうで、実証に投入できるようになったそうです。今回は狭い道でのすれ違いやバス停への正着制御もこなしており、大船渡線BRTでは専用道が雪に覆われるシーンもありましたが、自動運転バスは正常に走行していました。
一方多摩ニュータウンでは遠隔監視による車内アナウンスも行なっており、走行中に係員が車内を歩き始めると注意放送が流れました。運転士の労力軽減に効果を発揮するのはもちろん、将来無人運転になった際にも役立つでしょう。終点のスーパーマーケットでアンケート回収と引き換えに割引券を渡し買い物をしてもらう試みも、地域活性化のアイデアとして好感を抱きました。
大船渡線BRTは報道陣のみの公開でしたが、多摩ニュータウンは1日12便を8日間、一般の方を乗せて走っており、自動運転の体験者を増やす点でも効果があったと考えています。立場は違えど高齢化に悩む地域であることは共通であり、現実感のある実証でもありました。以前書いたように、東京23区内でも運転士不足などでバス廃止減便が始まっています。技術の進化によって自動運転移動サービスが少しずつ現実に近こうとしている姿は、後押しをしたくなるものでした。
この2つの実証には共通点がありました。先進モビリティが自動運転化した小型バスであることと、愛知製鋼が開発した磁気マーカシステムを使用していたことです。磁気マーカはGPSの役目を担うもので、トンネルや街路樹などによってGPSが受信できない場所でバスの位置を特定し、センサーや遠隔監視との併用で設定したルートを正確に走行するものです。
磁気マーカは最近生まれた技術ではなく、20世紀末に日米で高速道路での自動運転の実験に使われ、2005年の愛・地球博ではトヨタ自動車が開発したIMTS(Intelligent Multimode Transit System)が磁気誘導式鉄道として運行されました。しかし当時はコストや性能面に問題があり、その後の自動運転はインフラ設備を使わない自律型が主流になりました。
ところが愛知製鋼の技術者に聞いたところ、磁気を感知するセンサーの性能が上がり、安価なマーカを使えるようになったというブレークスルーがあったそうで、実証に投入できるようになったそうです。今回は狭い道でのすれ違いやバス停への正着制御もこなしており、大船渡線BRTでは専用道が雪に覆われるシーンもありましたが、自動運転バスは正常に走行していました。
一方多摩ニュータウンでは遠隔監視による車内アナウンスも行なっており、走行中に係員が車内を歩き始めると注意放送が流れました。運転士の労力軽減に効果を発揮するのはもちろん、将来無人運転になった際にも役立つでしょう。終点のスーパーマーケットでアンケート回収と引き換えに割引券を渡し買い物をしてもらう試みも、地域活性化のアイデアとして好感を抱きました。
大船渡線BRTは報道陣のみの公開でしたが、多摩ニュータウンは1日12便を8日間、一般の方を乗せて走っており、自動運転の体験者を増やす点でも効果があったと考えています。立場は違えど高齢化に悩む地域であることは共通であり、現実感のある実証でもありました。以前書いたように、東京23区内でも運転士不足などでバス廃止減便が始まっています。技術の進化によって自動運転移動サービスが少しずつ現実に近こうとしている姿は、後押しをしたくなるものでした。