昨年10月、ソフトバンクとトヨタ自動車の共同出資で設立されたMONET Technologies(モネ・テクノロジーズ、以下MONET)が今週、本田技研工業と日野自動車の出資を受けたことを発表するとともに、モビリティイノベーションの実現に向けた『なかまづくり』の一環として、企業間の連携を推進する「MONETコンソーシアム」を設立しました。
「MONETコンソーシアム」は、次世代モビリティサービスの推進と移動における社会課題の解決や新たな価値創造を目的としており、多様な業界・業種の企業の参加により、自動運転を見据えた車両やサービスの企画、データ連携、自治体とのマッチングなどMaaS事業開発や、勉強会・情報交換会の実施、課題取りまとめ・提言活動などによるMaaS普及に向けた環境整備を活動の内容とするとのことです。
コンソーシアムの運営主体でもあるMONETは今年2月に事業を始めたばかりですが、直後に次世代のオンデマンドモビリティサービスの提供に向けて17自治体と連携しており、今月までに愛知県豊田市と神奈川県横浜市でオンデマンドバス、広島県福山市で乗合タクシーの実証実験を始めています。動きの早さに驚かされます。
このニュースを聞いて、もうひとつの民間企業主体のモビリティコンソーシアムを思い出しました。JR東日本の呼びかけで2017年9月に設立された「モビリティ変革コンソーシアム」です。こちらはJR 東日本が 2016 年 11 月に策定した「技術革新中長期ビジョン」の実現に向けて、モビリ ティを変革する場として創出したもので、交通事業者、国内外メーカー、大学、研究機関などが連携することによって、単独では難しい社会課題の解決に取り組むものです。
鉄道ネットワークを中心としたモビリティ・リンケージ・プラットフォームを構築し、出発地から目的地までの「シームレスな移動」の実現をめざすDoor to Door 推進 WG(ワーキンググループ)、街の特性に応じた利用者の移動機会・移動目的の創出と、駅及び駅周辺の魅力度・快適性を向上することで、駅を核とした新しい街づくりをめざすSmart City WG、サービスの品質向上、JRグループ会社社員の作業安全性向上・作業効率化、メンテナンス業務革新をめざしたロボット活用を進めていくロボット活用 WGがあり、これとは別にアイデアソン、ハッカソン、勉強会なども開催しています。
先月のブログで紹介した、岩手県陸前高田市のJR東日本大船渡線BRT専用道におけるBRT自動運転の技術実証も、Door to Door推進WGのテーマとして実施されたものです。昨年秋に日立製作所と共同で新開発したスマートフォンアプリ「Ringo Pass(リンゴバス)」の実証実験では、NTTドコモや国際自動車のアプリと連携させ、鉄道やバスだけでなく自転車シェアやタクシーを利用することも可能としています。
MONETコンソーシアムは発表時点で計88社が参加しており、一方のモビリティ変革コンソーシアムは今年2月現在で運営会員98、一般会員40となっています。注目したいのは前者にJR東日本、後者にソフトバンクが名を連ねていることです。トヨタグループではデンソーや豊田通商などが両コンソーシアムの会員になっており、愛知製鋼は前者のみに所属しています。もちろん他にも片方のみに入っている団体は数多くあります。
展開フィールドとしてはモビリティ変革コンソーシアムのほうが広そうですが、自動運転やMaaSでは重なっていることも事実です。ただしこれまでの実証実験から見る限り、方向性はやや違うと感じています。ゆえに2つのコンソーシアムが対決することも、統合することも望ましい姿ではないでしょう。時に連携しながら良きライバルとして並立し、自動運転やMaaSの普及に取り組んでいくシーンが現実となれば、日本がこの分野の先進国になる可能性はあると思います。
「MONETコンソーシアム」は、次世代モビリティサービスの推進と移動における社会課題の解決や新たな価値創造を目的としており、多様な業界・業種の企業の参加により、自動運転を見据えた車両やサービスの企画、データ連携、自治体とのマッチングなどMaaS事業開発や、勉強会・情報交換会の実施、課題取りまとめ・提言活動などによるMaaS普及に向けた環境整備を活動の内容とするとのことです。
コンソーシアムの運営主体でもあるMONETは今年2月に事業を始めたばかりですが、直後に次世代のオンデマンドモビリティサービスの提供に向けて17自治体と連携しており、今月までに愛知県豊田市と神奈川県横浜市でオンデマンドバス、広島県福山市で乗合タクシーの実証実験を始めています。動きの早さに驚かされます。
このニュースを聞いて、もうひとつの民間企業主体のモビリティコンソーシアムを思い出しました。JR東日本の呼びかけで2017年9月に設立された「モビリティ変革コンソーシアム」です。こちらはJR 東日本が 2016 年 11 月に策定した「技術革新中長期ビジョン」の実現に向けて、モビリ ティを変革する場として創出したもので、交通事業者、国内外メーカー、大学、研究機関などが連携することによって、単独では難しい社会課題の解決に取り組むものです。
鉄道ネットワークを中心としたモビリティ・リンケージ・プラットフォームを構築し、出発地から目的地までの「シームレスな移動」の実現をめざすDoor to Door 推進 WG(ワーキンググループ)、街の特性に応じた利用者の移動機会・移動目的の創出と、駅及び駅周辺の魅力度・快適性を向上することで、駅を核とした新しい街づくりをめざすSmart City WG、サービスの品質向上、JRグループ会社社員の作業安全性向上・作業効率化、メンテナンス業務革新をめざしたロボット活用を進めていくロボット活用 WGがあり、これとは別にアイデアソン、ハッカソン、勉強会なども開催しています。
先月のブログで紹介した、岩手県陸前高田市のJR東日本大船渡線BRT専用道におけるBRT自動運転の技術実証も、Door to Door推進WGのテーマとして実施されたものです。昨年秋に日立製作所と共同で新開発したスマートフォンアプリ「Ringo Pass(リンゴバス)」の実証実験では、NTTドコモや国際自動車のアプリと連携させ、鉄道やバスだけでなく自転車シェアやタクシーを利用することも可能としています。
MONETコンソーシアムは発表時点で計88社が参加しており、一方のモビリティ変革コンソーシアムは今年2月現在で運営会員98、一般会員40となっています。注目したいのは前者にJR東日本、後者にソフトバンクが名を連ねていることです。トヨタグループではデンソーや豊田通商などが両コンソーシアムの会員になっており、愛知製鋼は前者のみに所属しています。もちろん他にも片方のみに入っている団体は数多くあります。
展開フィールドとしてはモビリティ変革コンソーシアムのほうが広そうですが、自動運転やMaaSでは重なっていることも事実です。ただしこれまでの実証実験から見る限り、方向性はやや違うと感じています。ゆえに2つのコンソーシアムが対決することも、統合することも望ましい姿ではないでしょう。時に連携しながら良きライバルとして並立し、自動運転やMaaSの普及に取り組んでいくシーンが現実となれば、日本がこの分野の先進国になる可能性はあると思います。