昨年あたりからコンビニエンスストアの24時間営業についての意見が目立つようになりました。今回の年末年始では一部の飲食店や商業施設が元日営業を止め、2日あるいは3日からの営業とするお店が増えました。そして今週、ガストやジョナサン、バーミヤンなどを展開するファミリーレストラン大手のすかいらーくグループが、24時間回営業を止めていくことを決断しました。
しかしニューヨークの地下鉄は、運営環境が日本の地下鉄とは大きく違います。このブログで何度も触れてきたように、欧米の多くの都市交通は公的組織が一括して管理しており、目先の黒字赤字に一喜一憂して減便や廃止を行うことはあまりありません。ニューヨークもMTA(メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ)が一括して管理しています。ちなみにMTAは公共交通のみならず、マンハッタンと周辺を結ぶ橋やトンネルも管理しています。
一方で日本には、東京オリンピック・パラリンピックを前にナイトタイムエコノミーを推進しようという動きもあります。欧米の大都市に比べて日本は夜を楽しむことができないので、飲食店の営業時間をのばしたり、公共交通を終夜運転したりという主張が見られます。こうした論点の際に必ずと言っていいほど例に出るのがニューヨークです。ニューヨークでは地下鉄や路線バスが24時間運行だからナイトライフが満喫できるという主張です。
しかしニューヨークの地下鉄は、運営環境が日本の地下鉄とは大きく違います。このブログで何度も触れてきたように、欧米の多くの都市交通は公的組織が一括して管理しており、目先の黒字赤字に一喜一憂して減便や廃止を行うことはあまりありません。ニューヨークもMTA(メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ)が一括して管理しています。ちなみにMTAは公共交通のみならず、マンハッタンと周辺を結ぶ橋やトンネルも管理しています。
ニューヨークの地下鉄は、ひとつの路線に複数の系統が走っているのも特徴で、日本で言えば地下鉄よりも路面電車やバスに近い状況になっていますが、すべての路線が24時間運行というわけではなく、深夜には運転しない系統も減り、本数もかなり少なくなります。深夜専用の路線図まで用意しています。朝晩に比べて利用者が少ないのはニューヨークも同じであることが想像できます。
日本でも東京都が六本木と渋谷を結ぶ路線バスの24時間運行を実施したことがありますが、1年を待たずに廃止になりました。本数が少なかった、他のバスや鉄道との連携がなかったなどの理由が考えられますが、それをニューヨーク並みにするには今の運営体制では無理です。加えて近年は運転士不足も課題になっています。東京の地下鉄の24時間運行に言及する人は、このあたりの事情まで考えて議論してほしいものです。
日本でも東京都が六本木と渋谷を結ぶ路線バスの24時間運行を実施したことがありますが、1年を待たずに廃止になりました。本数が少なかった、他のバスや鉄道との連携がなかったなどの理由が考えられますが、それをニューヨーク並みにするには今の運営体制では無理です。加えて近年は運転士不足も課題になっています。東京の地下鉄の24時間運行に言及する人は、このあたりの事情まで考えて議論してほしいものです。
24時間運行の交通が日本にないわけではありません。空港では関西国際空港が知られていますし、都市間の夜行バスや列車も根強い人気があります。物流の世界も24時間営業です。しかし国際空港は海外との時差を勘定に入れる必要があり、夜行のバスや列車は高速移動手段が確立していなかった頃から存在しています。いずれも都市内の24時間運行とは分けて考えるのが自然でしょう。
日本は農耕により発展してきた国であり、日の出とともに仕事を始め、日の入りとともに仕事を終え休むという生活を送ってきました。その風習が残っている観光地も多くあります。たとえば浅草の仲見世は19時ぐらいにはほとんどの店が閉まります。それでも世界各地から多くの人が訪れ賑わっています。これが日本らしさではないでしょうか。ナイトタイムエコノミーの議論はそろそろ終わりにして、多くの人が心地よく過ごせる社会を目指してほしいと思っています。
日本は農耕により発展してきた国であり、日の出とともに仕事を始め、日の入りとともに仕事を終え休むという生活を送ってきました。その風習が残っている観光地も多くあります。たとえば浅草の仲見世は19時ぐらいにはほとんどの店が閉まります。それでも世界各地から多くの人が訪れ賑わっています。これが日本らしさではないでしょうか。ナイトタイムエコノミーの議論はそろそろ終わりにして、多くの人が心地よく過ごせる社会を目指してほしいと思っています。