先週末から今週初めにかけては、土日のあとに祝日が2日連続したので、4連休だった人も多かったようです。一方で祝日のひとつが敬老の日だったこともあり、高齢者に関連したニュースもいくつかありました。モビリティ分野では、このブログではおなじみのWHILLが新型 Model C2を敬老の日より予約販売開始。それに先駆けて先週、メディア向け発表会を行いました。
Model C2は従来からあるModel Cの進化形で、フロントに加えてリアにもサスペンションを内蔵し、操作系は片側に集約することで左右どちらにも装着可能になりました。さらにテールランプはリュックを背負った状態でも見えやすい位置に変え、左右のアームは跳ね上げ方を変えることで乗り降りしやすくするなど、実用性や快適性を高める改良を美しくまとめてあり、相変わらずプロダクトデザインの良きお手本と呼びたくなります。
それとともに注目したいのは、新製品がシニア層の使用を主に想定していることです。車いすのような福祉用具は、介護保険の適用を受けた上で、介護系の流通事業者を通じて借りることが一般的ですが、WHILLによれば歩行困難を抱える高齢者は日本だけでも1000万人いるそうで、介護保険利用者の数を大きく上回る現状があることを見据えた判断だそうです。
さらにWHILLでは新型コロナウイルスが高齢者の行動に及ぼす影響が気になっており、先月65歳以上の男女600名と、歩きずらさを感じている親を持つ30~50代の男女300名を対象に、調査を実施しています。その結果は同社ウェブサイトで紹介されていますが、自粛前後で観劇・映画を目的とした外出は86.7%、友人・親戚宅訪問は76.1%も減っており、1年前と比べて公共交通の利用も4割減少したなどの結果が出ています。
WHILLの調査結果のニュースリリース = https://whill.inc/jp/news/28585
新型コロナウイルスの感染拡大で行動範囲が狭まっているのは多くの人に共通していますが、特に高齢者は自転車や自動車の運転に不安を持つ一方、足腰が弱っていて長時間歩くのが辛い人もおり、感染を恐れて公共交通の利用を控えると行動機会の減少に直結します。加えて高齢者はコロナで重症化しやすいことから、私たち周囲の人間が会いにいくのも躊躇しがちで、人との関わりが少なくなることから、認知症の進行などが懸念されています。
こうした結果を受けてWHILLでは、介護保険や補装具費支給制度などを利用しないユーザーに向けて、すでにオンラインでの予約受け付けを始めており、11月からは直販体制を整え、試乗サービスや運転アドバイス付きの購入サービスを、電話やWEBなどで全国から申し込めるようにする予定としており、シニアの外出機会創出を後押ししていくとのことです。
以前からWHILLを取材してきた人間としては、この動きは驚くべきことではないと思っています。健常者でも乗りたいと思えるパーソナルモビリティと、それを使った新しいモビリティサービスの提供を、当初から目標に掲げていたからです。以前紹介した空港での自動運転実証実験もその一環と言えます。自分の中でも電動車いすは特別な乗り物ではないという気持ちが強くなりつつあります。
Model C2は従来からあるModel Cの進化形で、フロントに加えてリアにもサスペンションを内蔵し、操作系は片側に集約することで左右どちらにも装着可能になりました。さらにテールランプはリュックを背負った状態でも見えやすい位置に変え、左右のアームは跳ね上げ方を変えることで乗り降りしやすくするなど、実用性や快適性を高める改良を美しくまとめてあり、相変わらずプロダクトデザインの良きお手本と呼びたくなります。
それとともに注目したいのは、新製品がシニア層の使用を主に想定していることです。車いすのような福祉用具は、介護保険の適用を受けた上で、介護系の流通事業者を通じて借りることが一般的ですが、WHILLによれば歩行困難を抱える高齢者は日本だけでも1000万人いるそうで、介護保険利用者の数を大きく上回る現状があることを見据えた判断だそうです。
さらにWHILLでは新型コロナウイルスが高齢者の行動に及ぼす影響が気になっており、先月65歳以上の男女600名と、歩きずらさを感じている親を持つ30~50代の男女300名を対象に、調査を実施しています。その結果は同社ウェブサイトで紹介されていますが、自粛前後で観劇・映画を目的とした外出は86.7%、友人・親戚宅訪問は76.1%も減っており、1年前と比べて公共交通の利用も4割減少したなどの結果が出ています。
WHILLの調査結果のニュースリリース = https://whill.inc/jp/news/28585
新型コロナウイルスの感染拡大で行動範囲が狭まっているのは多くの人に共通していますが、特に高齢者は自転車や自動車の運転に不安を持つ一方、足腰が弱っていて長時間歩くのが辛い人もおり、感染を恐れて公共交通の利用を控えると行動機会の減少に直結します。加えて高齢者はコロナで重症化しやすいことから、私たち周囲の人間が会いにいくのも躊躇しがちで、人との関わりが少なくなることから、認知症の進行などが懸念されています。
こうした結果を受けてWHILLでは、介護保険や補装具費支給制度などを利用しないユーザーに向けて、すでにオンラインでの予約受け付けを始めており、11月からは直販体制を整え、試乗サービスや運転アドバイス付きの購入サービスを、電話やWEBなどで全国から申し込めるようにする予定としており、シニアの外出機会創出を後押ししていくとのことです。
以前からWHILLを取材してきた人間としては、この動きは驚くべきことではないと思っています。健常者でも乗りたいと思えるパーソナルモビリティと、それを使った新しいモビリティサービスの提供を、当初から目標に掲げていたからです。以前紹介した空港での自動運転実証実験もその一環と言えます。自分の中でも電動車いすは特別な乗り物ではないという気持ちが強くなりつつあります。