先週に続いて自転車の話題を取り上げます。今回のテーマはインターネットメディア「Merkmal」でも取り上げた、子供乗せ自転車です。
日本で子供乗せ自転車と言うと、前後の車輪の上にチャイルドシートを乗せて親子3人で乗る「幼児2人同乗用自転車」がポピュラーですが、事故の話も耳にします。
最近では先月、東大阪市で、親子3人で乗っていた自転車が転倒して子供が投げ出され、後続のトラックにはねられて亡くなりました。今回の記事もこの事故をテーマとしたものです。くわしくは記事を見ていただきたいですが、私は以前から、日本の幼児2人同乗用自転車は安全面で疑問を持っていました。二輪のまま重心が高くなる位置に2人の子供を乗せ、前側のチャイルドシートは操舵を司るハンドルに装着しているからです。
そこで思い出したのがヨーロッパの子供乗せ自転車です。現地では荷物運搬用のカーゴバイクが普及しており、日本よりもはるかに多彩な設計の車両があります。その流れを受けて子供乗せ自転車も様々なスタイルが用意されています。二輪のまま車体を伸ばして間に子供を乗せたり、三輪にすることで安定感を確保したり、自由な発想に感心しています。
イタリア「Taga family bike」のウェブサイトはこちら
こうした事例を見たうえで個人的には、前二輪で子どもをその間に乗せるスタイルが好ましいと思っています。先週も紹介したBICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2022(自転車・電動モビリティまちづくり博)では、オランダ大使館が写真の車両を展示していましたが、これの前座席を子ども用としたようなイメージです。
ベビーカーを見ればおわかりのように、子どもは親の前に乗せたほうが、親の目が直接行き届くので安心ですし、三輪としたうえで子どもを低い位置に乗せれば走行安定性は高まります。3人乗りの場合は前輪の間に2人を乗せるか、あるいはひとりを後輪側に乗せるというスタイルになるでしょう。
日本には内閣府令で定めた普通自転車という基準があり、外寸などが規定されていることから、この基準から外れる車両が作りにくいような雰囲気がありますが、基準に適合しないからと否定する前に、その基準が今の時代に即しているかを考えるべきだと思っています。止める場所、つまり駐輪場については前回書いたとおりの対策を望みます。
展示会では川崎重工業が二輪車の経験を生かし、2023年の市場化を目指す三輪車「ノスリス」を展示しただけでなく、試乗も受け付けていました。電動アシスト自転車仕様とミニカー(原付三輪)仕様があり、両方に乗ることができましたが、いずれも2輪と比べると安定性は段違いで、剛性感なども信頼できました。これをベースに子供乗せ自転車を製作すれば、安心安全な移動手段が提供できるのではないかと思いました。
他の自転車と長さや幅が違うことを不満に思う人もいるでしょう。でもそれは、鉄道車両やバスにベビーカーを畳まずに乗ることに対しての不満に似ていると感じます。多様性を認めるという観点からも、すべての人が低コストで環境に優しく安心安全に移動できる環境が必要であり、自転車については走行場所の拡充はもちろん、車両についても使用目的に応じて柔軟な設計を行い、安心して移動できる社会を構築していってほしいと思います。
最近では先月、東大阪市で、親子3人で乗っていた自転車が転倒して子供が投げ出され、後続のトラックにはねられて亡くなりました。今回の記事もこの事故をテーマとしたものです。くわしくは記事を見ていただきたいですが、私は以前から、日本の幼児2人同乗用自転車は安全面で疑問を持っていました。二輪のまま重心が高くなる位置に2人の子供を乗せ、前側のチャイルドシートは操舵を司るハンドルに装着しているからです。
そこで思い出したのがヨーロッパの子供乗せ自転車です。現地では荷物運搬用のカーゴバイクが普及しており、日本よりもはるかに多彩な設計の車両があります。その流れを受けて子供乗せ自転車も様々なスタイルが用意されています。二輪のまま車体を伸ばして間に子供を乗せたり、三輪にすることで安定感を確保したり、自由な発想に感心しています。
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こうした事例を見たうえで個人的には、前二輪で子どもをその間に乗せるスタイルが好ましいと思っています。先週も紹介したBICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2022(自転車・電動モビリティまちづくり博)では、オランダ大使館が写真の車両を展示していましたが、これの前座席を子ども用としたようなイメージです。
ベビーカーを見ればおわかりのように、子どもは親の前に乗せたほうが、親の目が直接行き届くので安心ですし、三輪としたうえで子どもを低い位置に乗せれば走行安定性は高まります。3人乗りの場合は前輪の間に2人を乗せるか、あるいはひとりを後輪側に乗せるというスタイルになるでしょう。
日本には内閣府令で定めた普通自転車という基準があり、外寸などが規定されていることから、この基準から外れる車両が作りにくいような雰囲気がありますが、基準に適合しないからと否定する前に、その基準が今の時代に即しているかを考えるべきだと思っています。止める場所、つまり駐輪場については前回書いたとおりの対策を望みます。
展示会では川崎重工業が二輪車の経験を生かし、2023年の市場化を目指す三輪車「ノスリス」を展示しただけでなく、試乗も受け付けていました。電動アシスト自転車仕様とミニカー(原付三輪)仕様があり、両方に乗ることができましたが、いずれも2輪と比べると安定性は段違いで、剛性感なども信頼できました。これをベースに子供乗せ自転車を製作すれば、安心安全な移動手段が提供できるのではないかと思いました。
他の自転車と長さや幅が違うことを不満に思う人もいるでしょう。でもそれは、鉄道車両やバスにベビーカーを畳まずに乗ることに対しての不満に似ていると感じます。多様性を認めるという観点からも、すべての人が低コストで環境に優しく安心安全に移動できる環境が必要であり、自転車については走行場所の拡充はもちろん、車両についても使用目的に応じて柔軟な設計を行い、安心して移動できる社会を構築していってほしいと思います。