鉄道の終着駅であり、交通結節点の意味も持つターミナル。私も国内外のいろいろなターミナルを使いました。その中から今回は、最近利用して印象に残った大阪市内の2つの駅を取り上げたいと思います。阪急電鉄大阪梅田駅と南海電気鉄道難波駅です。
ターミナルには、線路が両方向に伸びる通過式と、片方が行き止まりの頭端式があります。日本は欧州に比べて頭端式が少ないと言われていますが、この2駅はどちらも頭端式です。しかも阪急大阪梅田駅は日本最大、南海難波駅は2番目の規模と言われています。大阪市内の大動脈、御堂筋の起点と終点の交差点に面しており、約5kmしか離れていない駅がトップ2。「私鉄王国」という言葉を思い出しました。
2駅を利用して最初に感じたのは、その頭端式ならではの良さでした。まずは人の動線です。2つのターミナルは、駅舎を兼ねたターミナルビルを入ってまっすぐ進み、改札を抜けるとその先に列車が並んでいます。列車に乗る人はほぼまっすぐ進めば良く、ホームを間違えても上り下りは不要。わかりやすく使いやすいと感じました。
さらに頭端駅は、改札とホームの間に空間があります。人の流れをスムーズにするためですが、待ち合わせなどに都合がいいと感じました。改札の外側も、日本の駅としては余裕があります。とりわけ大阪梅田駅は、駅舎からホームまで距離があることをうまく使って、コンコースや広場などを用意していることが印象的でした。難波駅のホームに向かう大階段も、ターミナルらしい眺めです。
2つのターミナルビルが百貨店を兼ねていることも共通しています。しかもそれぞれが歴史的に特筆すべき存在です。阪急百貨店うめだ本店は沿線住民へのサービスを考えて、阪急電鉄の創始者である小林一三が1929年に考案した世界初のターミナルデパートで、そのビジネススタイルは多くの鉄道会社に影響を与えました。現在の建物が全面開業したのは2012年ですが、クラシカルかつエレガントなデザインは、ブラウン系のカラーともども阪急らしさを感じます。
一方の南海難波駅には高島屋本店である大阪店が入っています。駅舎は4代目ですが、完成は1932年と、大阪梅田駅誕生のわずか3年後です。しかも東武鉄道浅草駅や近畿日本鉄道(近鉄)宇治山田駅も手がけた建築家・久野節の設計を改良を重ねつつ使い続けており、登録有形文化財に指定されているとのこと。新陳代謝の激しい繁華街にもかかわらず建て直しをせず、この外観を残したことに感心します。
建物の内部も対照的で、大阪梅田駅周辺の商業施設は阪急グループ直営ということもあって整然としており、周辺のビジネス街にも通じる機能的な空気が伝わってきます。難波駅は対照的で、それぞれの店や空間が個性を競うように並んでおり、近くにある道頓堀などと同じように賑やかで活気を感じます。
梅田も難波も、他に複数の鉄道が乗り入れています。その中では最近リニューアルしたJR西日本(西日本旅客鉄道)大阪駅も存在感はありますが、「キタ」と「ミナミ」を反映しているターミナルはこの2駅になるのではないかと、東京人の自分は感じました。日本の多くのターミナルが再開発によって土地の色を失いつつある今、これからも独自の雰囲気を保ちつつけてほしいものです。
ターミナルには、線路が両方向に伸びる通過式と、片方が行き止まりの頭端式があります。日本は欧州に比べて頭端式が少ないと言われていますが、この2駅はどちらも頭端式です。しかも阪急大阪梅田駅は日本最大、南海難波駅は2番目の規模と言われています。大阪市内の大動脈、御堂筋の起点と終点の交差点に面しており、約5kmしか離れていない駅がトップ2。「私鉄王国」という言葉を思い出しました。
2駅を利用して最初に感じたのは、その頭端式ならではの良さでした。まずは人の動線です。2つのターミナルは、駅舎を兼ねたターミナルビルを入ってまっすぐ進み、改札を抜けるとその先に列車が並んでいます。列車に乗る人はほぼまっすぐ進めば良く、ホームを間違えても上り下りは不要。わかりやすく使いやすいと感じました。
さらに頭端駅は、改札とホームの間に空間があります。人の流れをスムーズにするためですが、待ち合わせなどに都合がいいと感じました。改札の外側も、日本の駅としては余裕があります。とりわけ大阪梅田駅は、駅舎からホームまで距離があることをうまく使って、コンコースや広場などを用意していることが印象的でした。難波駅のホームに向かう大階段も、ターミナルらしい眺めです。
2つのターミナルビルが百貨店を兼ねていることも共通しています。しかもそれぞれが歴史的に特筆すべき存在です。阪急百貨店うめだ本店は沿線住民へのサービスを考えて、阪急電鉄の創始者である小林一三が1929年に考案した世界初のターミナルデパートで、そのビジネススタイルは多くの鉄道会社に影響を与えました。現在の建物が全面開業したのは2012年ですが、クラシカルかつエレガントなデザインは、ブラウン系のカラーともども阪急らしさを感じます。
一方の南海難波駅には高島屋本店である大阪店が入っています。駅舎は4代目ですが、完成は1932年と、大阪梅田駅誕生のわずか3年後です。しかも東武鉄道浅草駅や近畿日本鉄道(近鉄)宇治山田駅も手がけた建築家・久野節の設計を改良を重ねつつ使い続けており、登録有形文化財に指定されているとのこと。新陳代謝の激しい繁華街にもかかわらず建て直しをせず、この外観を残したことに感心します。
建物の内部も対照的で、大阪梅田駅周辺の商業施設は阪急グループ直営ということもあって整然としており、周辺のビジネス街にも通じる機能的な空気が伝わってきます。難波駅は対照的で、それぞれの店や空間が個性を競うように並んでおり、近くにある道頓堀などと同じように賑やかで活気を感じます。
梅田も難波も、他に複数の鉄道が乗り入れています。その中では最近リニューアルしたJR西日本(西日本旅客鉄道)大阪駅も存在感はありますが、「キタ」と「ミナミ」を反映しているターミナルはこの2駅になるのではないかと、東京人の自分は感じました。日本の多くのターミナルが再開発によって土地の色を失いつつある今、これからも独自の雰囲気を保ちつつけてほしいものです。