ひさしぶりに都電に乗りました。仕事で伺う先が停留場の近くだったというのが理由です。学生時代は通学でたまに利用していましたが、その頃と比べると車両は新しくなり、静かで乗り心地が良くなったこと、相変わらず高齢者を中心に多くの人が利用していることなどが確認できました。それとともに、現在の名称である「東京さくらトラム」が気になりました。
都電を運行する東京都交通局が荒川線の新しい名称を公募し、東京さくらトラムに決定したのは今から5年前の2017年のことです。「東京」と「トラム」を名前に入れることはあらかじめ決まっており、間に入る言葉を募集したというもので、もっとも得票数が多かったのが「さくら」だったそうです。これにともない、路線記号や停留場のナンバリングにはSAが与えられました。
しかし交通局の表記では、いまだにカッコ付きで都電荒川線を併記しています。さらに今回停留場で見かけたポスターは、東京都交通局主催のイベントのお知らせだったにもかかわらず、東京さくらトラムという表記はひとつだけなのに対し、荒川線という表記は 4つあるなど、浸透していないことを証明するような結果になっていました。
なぜこのような状況になってしまったのでしょうか。そもそも日本の鉄道の路線名は、都市名や地域名を入れることが一般的だと、多くの人に認識されているからでしょう。しかもほとんどは呼びやすいように簡潔です。本来ある路線の一部だけを走る列車、複数の路線にまたがって走る列車でも、JR東日本(東日本旅客鉄道)の京浜東北線や宇都宮線のように、運転区間をわかりやすく示しています。
中には地名を使わない路線名もあります。東京臨海新交通臨海線の愛称ゆりかもめはそのひとつです。ただこちらは当初からの名前だったこともあって、しっかり根付いており、会社名も東京臨海新交通からゆりかもめに変わっているほどです。
既存の路線に最近になって与えられた名称としては、東武鉄道の東武スカイツリーラインやアーバンパークラインがあります。前者は伊勢崎線の首都圏側の区間に用いられた名前で、伊勢崎駅は起点の浅草駅から100km以上離れているうえに、スカイツリーも場所の名前なのでまだ理解できますが、アーバンパークラインは東京さくらトラム同様、名前を見ただけではどこを走っているかわからず、路線名としては厳しいと感じています。
欧米の鉄道路線は数字やアルファベットで簡潔に済ますのが一般的で、自動車の車種名もそういうものが多くなっています。こうした状況を考えると、日本は名前にこだわりを持つ人が多い国と言えるかもしれません。だからこそ命名は基本に忠実に、明瞭簡潔であってほしいものです。そして受け入れられなかった愛称は、潔く諦めることも、利用者のためではないかと思います。
都電を運行する東京都交通局が荒川線の新しい名称を公募し、東京さくらトラムに決定したのは今から5年前の2017年のことです。「東京」と「トラム」を名前に入れることはあらかじめ決まっており、間に入る言葉を募集したというもので、もっとも得票数が多かったのが「さくら」だったそうです。これにともない、路線記号や停留場のナンバリングにはSAが与えられました。
しかし交通局の表記では、いまだにカッコ付きで都電荒川線を併記しています。さらに今回停留場で見かけたポスターは、東京都交通局主催のイベントのお知らせだったにもかかわらず、東京さくらトラムという表記はひとつだけなのに対し、荒川線という表記は 4つあるなど、浸透していないことを証明するような結果になっていました。
なぜこのような状況になってしまったのでしょうか。そもそも日本の鉄道の路線名は、都市名や地域名を入れることが一般的だと、多くの人に認識されているからでしょう。しかもほとんどは呼びやすいように簡潔です。本来ある路線の一部だけを走る列車、複数の路線にまたがって走る列車でも、JR東日本(東日本旅客鉄道)の京浜東北線や宇都宮線のように、運転区間をわかりやすく示しています。
中には地名を使わない路線名もあります。東京臨海新交通臨海線の愛称ゆりかもめはそのひとつです。ただこちらは当初からの名前だったこともあって、しっかり根付いており、会社名も東京臨海新交通からゆりかもめに変わっているほどです。
既存の路線に最近になって与えられた名称としては、東武鉄道の東武スカイツリーラインやアーバンパークラインがあります。前者は伊勢崎線の首都圏側の区間に用いられた名前で、伊勢崎駅は起点の浅草駅から100km以上離れているうえに、スカイツリーも場所の名前なのでまだ理解できますが、アーバンパークラインは東京さくらトラム同様、名前を見ただけではどこを走っているかわからず、路線名としては厳しいと感じています。
欧米の鉄道路線は数字やアルファベットで簡潔に済ますのが一般的で、自動車の車種名もそういうものが多くなっています。こうした状況を考えると、日本は名前にこだわりを持つ人が多い国と言えるかもしれません。だからこそ命名は基本に忠実に、明瞭簡潔であってほしいものです。そして受け入れられなかった愛称は、潔く諦めることも、利用者のためではないかと思います。