このブログでも取り上げたことがある、富山県を走るJR西日本(西日本旅客鉄道)城端線・氷見線のLRT化など新しい交通体系への転換検討が、今年に入って新たな局面に入りました。富山県では以前から「城端線・氷見線LRT検討会」で議論を重ねてきましたが、2月の第5回検討会でLRTの電化と非電化、新型鉄道車両、BRTについて事業費を調査した結果が公開され、新型鉄道車両導入を推す意見が多く出たようです。
富山県城端線・氷見線L RT化検討会の内容はこちら
事業費がもっとも安く抑えられるうえに、電化の必要がないので工事のための運休もなく、速達性にも長けていることなどが理由になっています。この結果を受けて、今月初めの富山県議会では新田八朗県知事が「新型鉄道車両の導入が望ましいという方向でまとまれば」という考えを示しました。私も検討会の議事録などを見て、妥当な方向性だと感じました。
というのも自動車同様、鉄道の世界でも、これまでと違うメカニズムで走る車両が次々に登場しているからです。具体的にはハイブリッドディーゼルカー、蓄電池式電車、昔導入されたこともある電気式ディーゼルカーなどで、富山県が新型鉄道車両と呼んでいるのもこれらです。海外では蓄電池を積んだ路面電車もありますが、国内では実験段階であり、実績を積んだ新型鉄道車両を選ぶのはコスト面でも安全面でも理に叶っています。
少し前までは、自走できる旅客鉄道車両は電車かディーゼルカーしかありませんでした。しかも日本のディーゼルカーはトルコンを使った液体式が主力で、電車と比べて加速が鈍く、減速に回生ブレーキなどを使えないので、スピードアップには不利でした。しかし上に書いた新型車両はいずれも電気で走るので、電車と同等の性能が得られ、メインテナンスも楽と言われています。快適性にも長けており、とりわけ蓄電池式電車は、一般的な電車とほとんど変わりません。
鉄道車両の運転にも独自の免許が必要で、電車とディーゼルカーでは異なる免許が義務づけられるとのことですが、上に書いた新しい新型鉄道車両は、どちらか一方の免許持っていれば良いとのことです。なので2つの路線が接続する高岡駅から、あいの風とやま鉄道への乗り入れのハードルが低くなることが期待できます。それでいて電化は必要ないので、工事のための運休はありません。
このことから言えるのは、技術の進化によって、これまでとは異なるソリューションを出すことが可能になったということです。これは今後のモビリティシーンを語るうえで大事なことだと思いました。
とはいえ新型車両に置きかえればそれで問題解決だとは思っていません。朝夕の列車はかなりの混雑になることは自分も体感しており、車両の性能向上を含めれば、富山市のJR西日本高山本線のように、増便や新駅設置という方向に発展していってほしいものです。さらにいえば両線とも移動時間は短いので、現状の2ドアより、あいの風とやま鉄道と同じような3ドアのほうがふさわしいと思っています。
北陸新幹線の新高岡駅との接続も重視すべきでしょう。沿線自治体は新幹線の速達便である「かがやき」の停車を望んでいるようですが、それなら二次交通の整備に力を入れるべきではないでしょうか。駅の近くに開店したショッピングモール「イオン高岡」が増床して、新高岡駅から徒歩圏内になったからこそ、ショッピングセンターを巻き込んだターミナルとして整備することが重要だと思っています。
城端線・氷見線沿線は住宅や会社も多く、潜在的な利用者はあるという印象です。でも人口減少や少子高齢化に加え、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、多大な投資は難しい状況です。そんななかでの新型鉄道車両による改革という指針は納得できるものであり、その中でなによりも利用者にとってありがたいと思える改革になるよう、インフラを含めてのプロジェクトを進めてほしいものです。
富山県城端線・氷見線L RT化検討会の内容はこちら
事業費がもっとも安く抑えられるうえに、電化の必要がないので工事のための運休もなく、速達性にも長けていることなどが理由になっています。この結果を受けて、今月初めの富山県議会では新田八朗県知事が「新型鉄道車両の導入が望ましいという方向でまとまれば」という考えを示しました。私も検討会の議事録などを見て、妥当な方向性だと感じました。
というのも自動車同様、鉄道の世界でも、これまでと違うメカニズムで走る車両が次々に登場しているからです。具体的にはハイブリッドディーゼルカー、蓄電池式電車、昔導入されたこともある電気式ディーゼルカーなどで、富山県が新型鉄道車両と呼んでいるのもこれらです。海外では蓄電池を積んだ路面電車もありますが、国内では実験段階であり、実績を積んだ新型鉄道車両を選ぶのはコスト面でも安全面でも理に叶っています。
少し前までは、自走できる旅客鉄道車両は電車かディーゼルカーしかありませんでした。しかも日本のディーゼルカーはトルコンを使った液体式が主力で、電車と比べて加速が鈍く、減速に回生ブレーキなどを使えないので、スピードアップには不利でした。しかし上に書いた新型車両はいずれも電気で走るので、電車と同等の性能が得られ、メインテナンスも楽と言われています。快適性にも長けており、とりわけ蓄電池式電車は、一般的な電車とほとんど変わりません。
鉄道車両の運転にも独自の免許が必要で、電車とディーゼルカーでは異なる免許が義務づけられるとのことですが、上に書いた新しい新型鉄道車両は、どちらか一方の免許持っていれば良いとのことです。なので2つの路線が接続する高岡駅から、あいの風とやま鉄道への乗り入れのハードルが低くなることが期待できます。それでいて電化は必要ないので、工事のための運休はありません。
このことから言えるのは、技術の進化によって、これまでとは異なるソリューションを出すことが可能になったということです。これは今後のモビリティシーンを語るうえで大事なことだと思いました。
とはいえ新型車両に置きかえればそれで問題解決だとは思っていません。朝夕の列車はかなりの混雑になることは自分も体感しており、車両の性能向上を含めれば、富山市のJR西日本高山本線のように、増便や新駅設置という方向に発展していってほしいものです。さらにいえば両線とも移動時間は短いので、現状の2ドアより、あいの風とやま鉄道と同じような3ドアのほうがふさわしいと思っています。
北陸新幹線の新高岡駅との接続も重視すべきでしょう。沿線自治体は新幹線の速達便である「かがやき」の停車を望んでいるようですが、それなら二次交通の整備に力を入れるべきではないでしょうか。駅の近くに開店したショッピングモール「イオン高岡」が増床して、新高岡駅から徒歩圏内になったからこそ、ショッピングセンターを巻き込んだターミナルとして整備することが重要だと思っています。
城端線・氷見線沿線は住宅や会社も多く、潜在的な利用者はあるという印象です。でも人口減少や少子高齢化に加え、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、多大な投資は難しい状況です。そんななかでの新型鉄道車両による改革という指針は納得できるものであり、その中でなによりも利用者にとってありがたいと思える改革になるよう、インフラを含めてのプロジェクトを進めてほしいものです。