芳賀・宇都宮LRTが今日開業しました。私は現場に行きませんでしたが、10年以上前から何度か現地に足を運び、国内外の状況を見てきた経験を踏まえたうえで、「鉄道ではなく、路面電車でもない、これがLRT」という表現が的確だと思っています。ちなみにこの言葉、長年にわたり広島電鉄に勤務し、現在は運行事業者である宇都宮ライトレール常務の中尾正俊氏が、以前お会いしたときにお聞きしたもので、共感したので使わせていただきました。
軌道系公共交通を表す言葉としては、LRT以外に路面電車やトラムなどがあります。ただ路面電車は昔からある路線や車両がベースであり、欧州のトラムは新規路線もありますが、以前からある軌道をベースに車両や運営などをアップデートしたものも多数あります。これに対してLRTは、今の時代の都市型公共交通を考えたとき、既存の鉄道より小回りのきく軽量車両をひんぱんに、こまめに停車させながら走らせるという考えから出てきたもので、結果は似ていますが出発点は違うと思っています。
LRTが英語であり、北米で生まれた概念であることは、以前もブログで紹介しました。日本以上のクルマ社会である北米で、行きすぎたクルマ社会によって生まれた課題に対処するために生まれた都市交通だと認識しています。ということもあり、自分が見てきた海外の事例の中では、MAXライトレールと名乗っている米国オレゴン州ポートランドのそれが、宇都宮ライトレールに近いと感じています。
ノスタルジーが入り込む要素がないことも、LRTと路面電車の違いです。なので路面電車の新設路線としては75年ぶりという報道より、首都圏で18年ぶりの新規事業者による路線開業というニュースのほうが、実体を捉えているような気がします。ちなみに18年前に開業したのはつくばエクスプレスであり、宇都宮ライトレールはつくばエクスプレスをダウンサイジングしたような感じがします。その点でもLRTという新しいワードが似合っています。
最近になって新しいモビリティサービスが続々登場していることを含めて考えれば、すべての都市にLRTがふさわしいとは思いません。ただ世界的にもハイペースで人口減少と高齢化が進んでいることを考えれば、宇都宮市も提唱しているコンパクトシティ、つまり一定の場所に人を集めて生活することが行政サービスなどの点から重要です。それに適したモビリティツールとしてLRTは有効であり、すでに動き始めているまちづくりが今後どうなるか注目しています。
軌道系公共交通を表す言葉としては、LRT以外に路面電車やトラムなどがあります。ただ路面電車は昔からある路線や車両がベースであり、欧州のトラムは新規路線もありますが、以前からある軌道をベースに車両や運営などをアップデートしたものも多数あります。これに対してLRTは、今の時代の都市型公共交通を考えたとき、既存の鉄道より小回りのきく軽量車両をひんぱんに、こまめに停車させながら走らせるという考えから出てきたもので、結果は似ていますが出発点は違うと思っています。
LRTが英語であり、北米で生まれた概念であることは、以前もブログで紹介しました。日本以上のクルマ社会である北米で、行きすぎたクルマ社会によって生まれた課題に対処するために生まれた都市交通だと認識しています。ということもあり、自分が見てきた海外の事例の中では、MAXライトレールと名乗っている米国オレゴン州ポートランドのそれが、宇都宮ライトレールに近いと感じています。
MAXライトレールは現在5路線で総延長100km弱と、規模はかなり大きいですが、まちづくりのためのツールとして新規に走り始め、都市と郊外を結び、路面以外を走る区間も多く、大学やスポーツ施設、企業施設の近くを通り、トランジットセンターでバスとの接続を行うなど、共通点は多々あります。ポートランドにはこれ以外に、都心を巡るストリートカーもあって、こちらが路面電車に近いので、ライトレールはもっと広い意味での都市交通であることが伝わってきます。
ノスタルジーが入り込む要素がないことも、LRTと路面電車の違いです。なので路面電車の新設路線としては75年ぶりという報道より、首都圏で18年ぶりの新規事業者による路線開業というニュースのほうが、実体を捉えているような気がします。ちなみに18年前に開業したのはつくばエクスプレスであり、宇都宮ライトレールはつくばエクスプレスをダウンサイジングしたような感じがします。その点でもLRTという新しいワードが似合っています。
最近になって新しいモビリティサービスが続々登場していることを含めて考えれば、すべての都市にLRTがふさわしいとは思いません。ただ世界的にもハイペースで人口減少と高齢化が進んでいることを考えれば、宇都宮市も提唱しているコンパクトシティ、つまり一定の場所に人を集めて生活することが行政サービスなどの点から重要です。それに適したモビリティツールとしてLRTは有効であり、すでに動き始めているまちづくりが今後どうなるか注目しています。