多くの地方が、過疎化と高齢化に悩む中、地域交通を維持しようと革新的な手法で取り組んでいる事業者がいくつかあります。今回はその中から、島根県に本拠を置くバイタルリードの代表取締役・森山昌幸氏にオンラインでインタビューをする機会がありました。内容については、オンラインメディア「レスポンス」で公開していますので、興味のある方はご覧ください。なお私は現地を訪れたことがないので、今回の写真はすべてイメージと考えてください。
同社が展開しているモビリティサービス「TAKUZO」は、5年前に実証実験を始め、翌年から本格サービスに移行した、地方のための新しい交通サービスです。タクシーを使ったサブスク(定額)、乗合のAIオンデマンド交通で、専用の配車システムが複数の移動需要を束ね、乗合とすることで、最小限の運行台数で効率よく配車することが特徴です。料金は月額3000~5000円で、運行時間はタクシーの空き時間帯を活用した平日9:00~16:00を想定しています。
話を聞いていて印象的だったのは、住民の移動だけでなく、タクシー事業も支えていくという考えです。具体的には、利用者の発着時間を少しずつずらしてもらうことで、1台あたりの輸送人数の最大化、運行コストの最小化を目指しているそうです。
地方の中には過度にクルマに依存した社会なので、マイカーに限りなく近い移動を提供しようとしがちですが、利用者に寄り添いすぎると、事業者側が体力的にも金銭的にも辛くなっていくとのことです。利用者にとってそこそこ便利でありつつ、タクシー事業者がやっていけることが大事と考え、自らサービスを立ち上げたそうです。
たしかに人口減少が進む地方では、タクシーの利用者も少なくなっていくので、そのままではドライバーの収入も減ってしまいます。そうなればドライバーのなり手はますます減っていきます。それが最終的には利用者に降りかかってきます。もちろんライドシェアを解禁すれば話は変わりますが、現状のルールで考えれば、地域住民の移動と交通事業者の維持を、同時並行で考えていく必要があるのです。
裏を返せばいままでは、「お客様は神様」という考えが強かったのだと思います。これはモビリティに限った話ではなく、多くの分野で言えることです。たしかにそれは日本らしさではありますが、そこにこだわりすぎるあまり、犠牲になっていることはないでしょうか。大切なのは全体最適という視点です。厳しい場所で地域移動を成立させている人の言葉は重いと感じたのでした。
同社が展開しているモビリティサービス「TAKUZO」は、5年前に実証実験を始め、翌年から本格サービスに移行した、地方のための新しい交通サービスです。タクシーを使ったサブスク(定額)、乗合のAIオンデマンド交通で、専用の配車システムが複数の移動需要を束ね、乗合とすることで、最小限の運行台数で効率よく配車することが特徴です。料金は月額3000~5000円で、運行時間はタクシーの空き時間帯を活用した平日9:00~16:00を想定しています。
話を聞いていて印象的だったのは、住民の移動だけでなく、タクシー事業も支えていくという考えです。具体的には、利用者の発着時間を少しずつずらしてもらうことで、1台あたりの輸送人数の最大化、運行コストの最小化を目指しているそうです。
地方の中には過度にクルマに依存した社会なので、マイカーに限りなく近い移動を提供しようとしがちですが、利用者に寄り添いすぎると、事業者側が体力的にも金銭的にも辛くなっていくとのことです。利用者にとってそこそこ便利でありつつ、タクシー事業者がやっていけることが大事と考え、自らサービスを立ち上げたそうです。
たしかに人口減少が進む地方では、タクシーの利用者も少なくなっていくので、そのままではドライバーの収入も減ってしまいます。そうなればドライバーのなり手はますます減っていきます。それが最終的には利用者に降りかかってきます。もちろんライドシェアを解禁すれば話は変わりますが、現状のルールで考えれば、地域住民の移動と交通事業者の維持を、同時並行で考えていく必要があるのです。
裏を返せばいままでは、「お客様は神様」という考えが強かったのだと思います。これはモビリティに限った話ではなく、多くの分野で言えることです。たしかにそれは日本らしさではありますが、そこにこだわりすぎるあまり、犠牲になっていることはないでしょうか。大切なのは全体最適という視点です。厳しい場所で地域移動を成立させている人の言葉は重いと感じたのでした。