2023年は特定小型原付の導入、路線バスの運転士不足、ライドシェアの議論など、例年以上にモビリティの話題が多かったと感じています。さらに前年のJR西日本の公表がきっかけとなった赤字ローカル線では、同じJR西日本の芸備線が、国が指針を示した再構築協議会で議論されることになりました。
そして3月にここで取り上げた、富山県内を走るJR西日本の城端線・氷見線でも、活性化の取り組みが決まりました。 富山県では7月に城端線・氷見線再構築検討会を立ち上げ、議論を行ってきました。その結果、今週月曜日に城端線・氷見線再構築実施計画(案)がまとまったのです。内容は県やJR西日本のオフィシャルサイトで見ることができるので、興味のある方はご覧になってください。
富山県城端線・氷見線再構築検討会ウェブサイトはこちら
再構築事業の実施予定期間は10年間で、事業主体はJR西日本からあいの風とやま鉄道に変わり、車両は電気式気動車などの新型車両に置き換えるとともに、24両から34両に増やし、現状で城端線42本、氷見線36本の列車本数をともに60本程度とするそうです。さらに両線の直通運転、交通系ICカード対応なども盛り込まれています。
具体的には、前半の5年で新型車両の導入や交通系ICカード対応を行うとともに事業主体を移管し、後半の5年で直通運転のための整備を進めるとのことです。費用は合計382億円で、国が128億円、県と沿線4市がそれぞれ75億円、JRが104億円を負担しますが、JRは150億円を支出するそうで、残り46億円は積み立てられる予定です。
城端線と氷見線は、2020年からLRT化の検討が始まったものの、今年3月に新型鉄道車両の導入をベースとした利便性・快適性向上という方向に転換しました。ここまでは以前のブログで取り上げましたが、その後わずか9か月で上に書いた方針をまとめたスピードには驚きました。新幹線開業に伴って並行在来線の運営のために生まれた第3セクターが、他のJR路線を引き継ぐことも画期的です。
さらに車両の刷新や本数の増加だけでなく、直通運転や交通系ICカード導入まで含めているうえに、パーク&ライドの推進、街中を回遊するモビリティの整備、アニメキャラクターを活用した観光アピール(藤子・F・不二雄さん、藤子不二雄Aさんはどちらも沿線出身です)など、まちづくりにも踏み込んでおり、モビリティを真剣に考えていることが伝わってきます。
内容を見ながら感じたのは、私も書籍などで触れてきた富山市の経験が生かされていることです。表面的な項目だけでなく、地域の可能性を信じた攻めの姿勢、利用者にも伝わりやすいメッセージからも感じます。富山市では森雅志前市長がリーダーとして牽引しましたが、そういう人がいなくても前に進める動きが出てきたことも感心しました。これからも富山の交通改革を注視していきたいと改めて思った次第です。
2023年のブログは今回が最後となります。今年もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新は2024年1月6日になります。素敵なクリスマス、良いお年をお迎えください。
そして3月にここで取り上げた、富山県内を走るJR西日本の城端線・氷見線でも、活性化の取り組みが決まりました。 富山県では7月に城端線・氷見線再構築検討会を立ち上げ、議論を行ってきました。その結果、今週月曜日に城端線・氷見線再構築実施計画(案)がまとまったのです。内容は県やJR西日本のオフィシャルサイトで見ることができるので、興味のある方はご覧になってください。
富山県城端線・氷見線再構築検討会ウェブサイトはこちら
再構築事業の実施予定期間は10年間で、事業主体はJR西日本からあいの風とやま鉄道に変わり、車両は電気式気動車などの新型車両に置き換えるとともに、24両から34両に増やし、現状で城端線42本、氷見線36本の列車本数をともに60本程度とするそうです。さらに両線の直通運転、交通系ICカード対応なども盛り込まれています。
具体的には、前半の5年で新型車両の導入や交通系ICカード対応を行うとともに事業主体を移管し、後半の5年で直通運転のための整備を進めるとのことです。費用は合計382億円で、国が128億円、県と沿線4市がそれぞれ75億円、JRが104億円を負担しますが、JRは150億円を支出するそうで、残り46億円は積み立てられる予定です。
城端線と氷見線は、2020年からLRT化の検討が始まったものの、今年3月に新型鉄道車両の導入をベースとした利便性・快適性向上という方向に転換しました。ここまでは以前のブログで取り上げましたが、その後わずか9か月で上に書いた方針をまとめたスピードには驚きました。新幹線開業に伴って並行在来線の運営のために生まれた第3セクターが、他のJR路線を引き継ぐことも画期的です。
さらに車両の刷新や本数の増加だけでなく、直通運転や交通系ICカード導入まで含めているうえに、パーク&ライドの推進、街中を回遊するモビリティの整備、アニメキャラクターを活用した観光アピール(藤子・F・不二雄さん、藤子不二雄Aさんはどちらも沿線出身です)など、まちづくりにも踏み込んでおり、モビリティを真剣に考えていることが伝わってきます。
内容を見ながら感じたのは、私も書籍などで触れてきた富山市の経験が生かされていることです。表面的な項目だけでなく、地域の可能性を信じた攻めの姿勢、利用者にも伝わりやすいメッセージからも感じます。富山市では森雅志前市長がリーダーとして牽引しましたが、そういう人がいなくても前に進める動きが出てきたことも感心しました。これからも富山の交通改革を注視していきたいと改めて思った次第です。
2023年のブログは今回が最後となります。今年もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新は2024年1月6日になります。素敵なクリスマス、良いお年をお迎えください。