10年前の2014年、日本創生会議が発表した「消滅可能性都市」という衝撃的なフレーズを、今週再びメディアで目にするようになりました。有識者グループ「人口戦略会議」が新たな分析結果を公表したからです。今回の消滅可能性都市の数は744で、2014年に比べて152少なくなっていますが、一方で「ブラックホール型自治体」「自立持続可能性自治体」という新たな言葉が出てきました。
ブラックホール型自治体とは、大都市を中心に、出生率が低く外からの人口流入に依存している自治体のことで、東京23区のうち16区、大阪市、京都市など25自治体が選ばれました。一方の自立持続可能性自治体は、人口移動がないと仮定した場合にも減少率が20%未満にとどまる自治体で、つくばエクスプレス沿線で子育て支援に力を入れる千葉県流山市、別荘地としての知名度を生かし移住を促進している長野県原村、台湾の半導体工場を誘致したことで話題の熊本県菊陽町など65自治体が入っています。
これまでは地方の人口減少だけを取り上げていたのに対し、今回は大都市への人口集中も人口減少につながることを示唆するとともに、悲観的な数字を並べるだけでなく、具体例を挙げてまちづくりの指針を示していることが特徴で、10年前より踏み込んだ内容だと感じています。
ではなぜ大都市に人口が流入しているのでしょうか。先月、理由のひとつになりそうなエピソードがありました。青森に帰省していた妻から、テレビのワイドショーで東京が大雪だと騒いでいると連絡があったのです。でも送ってもらった写真を見ると、青森のほうが多いような気がします。なのに東京の情報を大々的に取り上げていたとのことです。似たような傾向は飲食店や観光地の紹介でも見られますが、これでは多くの人が東京に興味を持って当然です。
一極集中はモビリティにもいろいろな影響を及ぼします。ローカル線の廃止や減便が地方の人口減少と関係があることはもちろん、バスやタクシーの運転士不足も、待遇面の問題はありますが、人そのものが少ないことも理由と考えています。さらに若者のクルマ離れも、大都市と地方の乗用車のひとりあたり台数で東京都が0.231と最低(最高は群馬県の0.677)であることを見れば、関係は明らかです。
東京の鉄道は利用者が右肩上がりで好ましいと思うかもしれませんが、車両の数や運転間隔などが限界に近いとも感じており、京阪神ぐらいがちょうどいいという気がします。この国のモビリティが持続可能であり続けるためにも、住む場所・学ぶ場所・働く場所・遊ぶ場所がバランスよく備わった、持続可能な都市が全国にバランスよく存在し、一極集中の流れに歯止めをかけてくれることを望みます。
ブラックホール型自治体とは、大都市を中心に、出生率が低く外からの人口流入に依存している自治体のことで、東京23区のうち16区、大阪市、京都市など25自治体が選ばれました。一方の自立持続可能性自治体は、人口移動がないと仮定した場合にも減少率が20%未満にとどまる自治体で、つくばエクスプレス沿線で子育て支援に力を入れる千葉県流山市、別荘地としての知名度を生かし移住を促進している長野県原村、台湾の半導体工場を誘致したことで話題の熊本県菊陽町など65自治体が入っています。
これまでは地方の人口減少だけを取り上げていたのに対し、今回は大都市への人口集中も人口減少につながることを示唆するとともに、悲観的な数字を並べるだけでなく、具体例を挙げてまちづくりの指針を示していることが特徴で、10年前より踏み込んだ内容だと感じています。
ではなぜ大都市に人口が流入しているのでしょうか。先月、理由のひとつになりそうなエピソードがありました。青森に帰省していた妻から、テレビのワイドショーで東京が大雪だと騒いでいると連絡があったのです。でも送ってもらった写真を見ると、青森のほうが多いような気がします。なのに東京の情報を大々的に取り上げていたとのことです。似たような傾向は飲食店や観光地の紹介でも見られますが、これでは多くの人が東京に興味を持って当然です。
一極集中はモビリティにもいろいろな影響を及ぼします。ローカル線の廃止や減便が地方の人口減少と関係があることはもちろん、バスやタクシーの運転士不足も、待遇面の問題はありますが、人そのものが少ないことも理由と考えています。さらに若者のクルマ離れも、大都市と地方の乗用車のひとりあたり台数で東京都が0.231と最低(最高は群馬県の0.677)であることを見れば、関係は明らかです。
東京の鉄道は利用者が右肩上がりで好ましいと思うかもしれませんが、車両の数や運転間隔などが限界に近いとも感じており、京阪神ぐらいがちょうどいいという気がします。この国のモビリティが持続可能であり続けるためにも、住む場所・学ぶ場所・働く場所・遊ぶ場所がバランスよく備わった、持続可能な都市が全国にバランスよく存在し、一極集中の流れに歯止めをかけてくれることを望みます。