路線バスを取り巻く環境が厳しく、路線の廃止や減便が各地で発生していることは、このブログでも何度か取り上げました。こうした状況を前に、諦めるのではなく、攻めの姿勢で移動の足を維持する地域があることも、いくつか紹介してきました。今回はそのひとつ、「上田市地域公共交通利便増進事業」をスタートさせた長野県上田市を訪れたので、この地の取り組みに触れていきます。

上田市では危機的状況を直視しつつ、公共交通を確保・維持するために、官民連携で地域公共交通利便増進事業を検討してきました。同事業は、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律(略称「地域交通法」)第2条第13号で定められており、実施に当たって地域公共交通利便増進実施計画を作成し、国土交通大臣の認定を受けることで、法律上の特例措置(国や都道府県の補助額嵩上げなど)を受けることができます。実施期間は今年10月から5年間、実施区域は上田市と西隣の青木村の全域となっています。
このブログで何度も書いてきましたが、公共交通は公立学校や図書館のように、税金や補助金主体で運営するのがグローバルでの流れであり、黒字赤字で判断するという日本の常識は、世界の非常識とも言えます。しかしながら公費を投入するわけですから、無駄を省きつつ安全性や利便性を高めていくことは大事です。

具体的な改革は、上田市のウェブサイトにくわしく記してありますが、路線の統合や振り替え、渋滞回避や商業施設立ち寄りなどを理由としたルート変更など、きめ細かい再編が実施されているうえに、一部の路線では30分間隔や1時間間隔のパターンダイヤを導入しています。

一例を挙げると、塩田線・信州上田レイライン線は、運転手不足や低い収支率を踏まえて廃止を検討したものの、両路線を統合することで路線維持。さらに朝夕の往復1便は、沿線地域の通勤通学の移動手段として上田駅〜別所温泉間を運行するのに対して、日中は塩田地域内の生活施設、鉄道駅及び観光施設を結ぶ循環運行としました。使いやすい路線バスにしていこうという熱意と工夫が伝わってきます。
欧州の公共交通では一般的なゾーン制運賃の導入もニュースで、最小100円、最大1000円の間で、ゾーンを跨ぐごとに100円ずつ上がっていく内容としました。上田市では2013年から、最大運賃500円を導入してきており、その効果を検証した結果、ゾーン制に移行するとのことです。差額については段階的に引き上げていくそうですが、通勤通学定期券は据え置きとされます。

一連の施策を見て思い出したのは、市内を走る上田電鉄別所線の「赤い鉄橋」が、2019年の台風で一部流されたときの対応です。こちらについては昔、市の交通政策課に取材した記事がありますが、国の「特定大規模災害等鉄道施設災害復旧事業費補助」の適用を選択。市が橋梁を所有し、復旧事業の事業主体となることで、上田電鉄の負担を免除し、市の負担分の95%は交付税措置とすることで実質的な負担を2.5%に抑えたというものです。
上田電鉄はこの前にも2度、廃止の危機にありましたが、いずれも市の主導で存続が決まりました。そんな経緯を知っているだけに、今回のバス改革も「さすが上田」という印象を持ちました。公共交通はもうオワコンという前に、このような創意工夫を参考にしてほしいと思います。ただ今回の事業実施は5年間であり、その後を考えれば、最終的には欧米のように、税金や補助金を主体とした運営に、国の主導でシフトしていってほしいものです。

上田市では危機的状況を直視しつつ、公共交通を確保・維持するために、官民連携で地域公共交通利便増進事業を検討してきました。同事業は、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律(略称「地域交通法」)第2条第13号で定められており、実施に当たって地域公共交通利便増進実施計画を作成し、国土交通大臣の認定を受けることで、法律上の特例措置(国や都道府県の補助額嵩上げなど)を受けることができます。実施期間は今年10月から5年間、実施区域は上田市と西隣の青木村の全域となっています。
このブログで何度も書いてきましたが、公共交通は公立学校や図書館のように、税金や補助金主体で運営するのがグローバルでの流れであり、黒字赤字で判断するという日本の常識は、世界の非常識とも言えます。しかしながら公費を投入するわけですから、無駄を省きつつ安全性や利便性を高めていくことは大事です。

具体的な改革は、上田市のウェブサイトにくわしく記してありますが、路線の統合や振り替え、渋滞回避や商業施設立ち寄りなどを理由としたルート変更など、きめ細かい再編が実施されているうえに、一部の路線では30分間隔や1時間間隔のパターンダイヤを導入しています。

一例を挙げると、塩田線・信州上田レイライン線は、運転手不足や低い収支率を踏まえて廃止を検討したものの、両路線を統合することで路線維持。さらに朝夕の往復1便は、沿線地域の通勤通学の移動手段として上田駅〜別所温泉間を運行するのに対して、日中は塩田地域内の生活施設、鉄道駅及び観光施設を結ぶ循環運行としました。使いやすい路線バスにしていこうという熱意と工夫が伝わってきます。
欧州の公共交通では一般的なゾーン制運賃の導入もニュースで、最小100円、最大1000円の間で、ゾーンを跨ぐごとに100円ずつ上がっていく内容としました。上田市では2013年から、最大運賃500円を導入してきており、その効果を検証した結果、ゾーン制に移行するとのことです。差額については段階的に引き上げていくそうですが、通勤通学定期券は据え置きとされます。

一連の施策を見て思い出したのは、市内を走る上田電鉄別所線の「赤い鉄橋」が、2019年の台風で一部流されたときの対応です。こちらについては昔、市の交通政策課に取材した記事がありますが、国の「特定大規模災害等鉄道施設災害復旧事業費補助」の適用を選択。市が橋梁を所有し、復旧事業の事業主体となることで、上田電鉄の負担を免除し、市の負担分の95%は交付税措置とすることで実質的な負担を2.5%に抑えたというものです。
上田電鉄はこの前にも2度、廃止の危機にありましたが、いずれも市の主導で存続が決まりました。そんな経緯を知っているだけに、今回のバス改革も「さすが上田」という印象を持ちました。公共交通はもうオワコンという前に、このような創意工夫を参考にしてほしいと思います。ただ今回の事業実施は5年間であり、その後を考えれば、最終的には欧米のように、税金や補助金を主体とした運営に、国の主導でシフトしていってほしいものです。












