JR北海道(北海道旅客鉄道)が今月16日、「黄色線区」と呼ばれる維持が難しい赤字の8区間について、今年4月に沿線の自治体に示した上下分離方式を、自治体から反発を受けていたことなどを理由に、撤回すると発表しました。

このブログでは2年前にも、JR北海道について書きました。そのときには上下分離方式を導入して、下の部分は国が支えるべきと書きました。なので今回のニュースは、上下分離方式が頓挫して一気に廃止に向かうような感じもありますが、ここでの相手は自治体であり、今後は国を相手にして存続に向けた議論が始まるような動きなので、必ずしも暗いニュースではないと考えています。
上下分離方式をもう一度説明しておくと、インフラの設置や維持は自治体が行い、運営を民間企業が担当するものです。自動車と道路の関係が近いでしょう。道路は税金で建設され、維持されるのに対して、その上を走る車両は利用者が買ったり借りたりして走らせます。公共交通の中でもバスやタクシーは、道路の負担はしていないので、上下分離の上側と言うことができます。

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我が国の鉄道は多くの場合、民間企業がインフラの維持と車両の運行の両方を行う形をとっているので、多くの日本人はそれが当然だと思うかもしれません。しかし海外は異なります。たとえばEU(欧州連合)では1991年という早い時期から、上下分離方式とオープンアクセス(市場解放)が推進されてきました。
オープンアクセスというのは、鉄道事業者か否かを問わず、さまざま企業が列車の運行事業に参入できる制度です。代表格のひとつがイタリアの「イタロ」で、フェラーリやフィアットの会長を務めたルカ・コルデロ・ディ・モンテゼーモロ氏などが設立し、既存の路線で高速列車を運行。2028年にはドイツで高速鉄道サービスを開始すると発表しました。
米国の鉄道は貨物列車がメインということもあり、上下分離方式はちょっと変わっていて、線路を保有するのは複数の民間貨物鉄道会社であり、旅客列車の「アムトラック」がその線路の上を走っています。鉄道の上下分離は公設民営のパターンが多いですが、アムトラックの正式名称は全米鉄道旅客公社であり、旅客列車だけ見れば民設公営になります。

「イタロ」のオフィシャルサイトはこちら
なので欧州の上下分離を例に取ると、日本とは枠組みが大きく違うことがわかります。欧州は上も下も国レベルなのに対し、日本は上が民間企業、下が沿線自治体という小さな組織だからです。北海道のような人口密度が少なく、過疎化が進む地域は、人口の約4割が集中する札幌市以外は自治体の力に限度があります。日本式の上下分離を回していくには無理があります。
そんな中でJR北海道は、自治体相手の上下分離を諦め、国が議論を主導するように、協議会の設置を要請したそうです。最終的に国がどう判断するかはわかりませんが、欧州の事例や北海道の現状を見ると、この流れのほうが妥当ではないかと考えています。個人的には2年前のブログでも書いたように、国がインフラを支える制度を、全国に先駆けて導入してもらいたいと思っています。
とりわけ北海道で注目したいのは貨物輸送です。土地が広く海から遠い地域があり、食料自給率は200%を超えるうえに、本州と直結する道路はなく鉄道だけです。トラックの運転手不足を含めて考えれば、これほど鉄道貨物輸送にふさわしい地方は国内では珍しく、少なくともが貨物列車が走る線区は残すべきだと考えます。札幌延伸に向けて整備が進む北海道新幹線も、貨物輸送を考慮した整備が望まれます。

もうひとつは記者会見で、JR北海道の社長も述べていた観光列車についてです。現在はJR北海道自身が運行していますが、先日も富良野線を走る「富良野・美瑛ノロッコ号」が老朽化により運行終了というニュースがありました。ここはオープンアクセスを取り入れて、北海道の観光輸送に興味がある事業者を幅広く募り、斬新な企画の列車を走らせてもらうような動きを期待しています。

このブログでは2年前にも、JR北海道について書きました。そのときには上下分離方式を導入して、下の部分は国が支えるべきと書きました。なので今回のニュースは、上下分離方式が頓挫して一気に廃止に向かうような感じもありますが、ここでの相手は自治体であり、今後は国を相手にして存続に向けた議論が始まるような動きなので、必ずしも暗いニュースではないと考えています。
上下分離方式をもう一度説明しておくと、インフラの設置や維持は自治体が行い、運営を民間企業が担当するものです。自動車と道路の関係が近いでしょう。道路は税金で建設され、維持されるのに対して、その上を走る車両は利用者が買ったり借りたりして走らせます。公共交通の中でもバスやタクシーは、道路の負担はしていないので、上下分離の上側と言うことができます。

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我が国の鉄道は多くの場合、民間企業がインフラの維持と車両の運行の両方を行う形をとっているので、多くの日本人はそれが当然だと思うかもしれません。しかし海外は異なります。たとえばEU(欧州連合)では1991年という早い時期から、上下分離方式とオープンアクセス(市場解放)が推進されてきました。
オープンアクセスというのは、鉄道事業者か否かを問わず、さまざま企業が列車の運行事業に参入できる制度です。代表格のひとつがイタリアの「イタロ」で、フェラーリやフィアットの会長を務めたルカ・コルデロ・ディ・モンテゼーモロ氏などが設立し、既存の路線で高速列車を運行。2028年にはドイツで高速鉄道サービスを開始すると発表しました。
米国の鉄道は貨物列車がメインということもあり、上下分離方式はちょっと変わっていて、線路を保有するのは複数の民間貨物鉄道会社であり、旅客列車の「アムトラック」がその線路の上を走っています。鉄道の上下分離は公設民営のパターンが多いですが、アムトラックの正式名称は全米鉄道旅客公社であり、旅客列車だけ見れば民設公営になります。

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なので欧州の上下分離を例に取ると、日本とは枠組みが大きく違うことがわかります。欧州は上も下も国レベルなのに対し、日本は上が民間企業、下が沿線自治体という小さな組織だからです。北海道のような人口密度が少なく、過疎化が進む地域は、人口の約4割が集中する札幌市以外は自治体の力に限度があります。日本式の上下分離を回していくには無理があります。
そんな中でJR北海道は、自治体相手の上下分離を諦め、国が議論を主導するように、協議会の設置を要請したそうです。最終的に国がどう判断するかはわかりませんが、欧州の事例や北海道の現状を見ると、この流れのほうが妥当ではないかと考えています。個人的には2年前のブログでも書いたように、国がインフラを支える制度を、全国に先駆けて導入してもらいたいと思っています。
とりわけ北海道で注目したいのは貨物輸送です。土地が広く海から遠い地域があり、食料自給率は200%を超えるうえに、本州と直結する道路はなく鉄道だけです。トラックの運転手不足を含めて考えれば、これほど鉄道貨物輸送にふさわしい地方は国内では珍しく、少なくともが貨物列車が走る線区は残すべきだと考えます。札幌延伸に向けて整備が進む北海道新幹線も、貨物輸送を考慮した整備が望まれます。

もうひとつは記者会見で、JR北海道の社長も述べていた観光列車についてです。現在はJR北海道自身が運行していますが、先日も富良野線を走る「富良野・美瑛ノロッコ号」が老朽化により運行終了というニュースがありました。ここはオープンアクセスを取り入れて、北海道の観光輸送に興味がある事業者を幅広く募り、斬新な企画の列車を走らせてもらうような動きを期待しています。











