茨城県日立市というと、少し前にJR東日本の日立駅舎を取り上げたばかりですが、今回は同じ日に乗ったひたちBRTを紹介します。かつてこの地域を走っていた鉄道、日立電鉄の廃線跡の一部を活用したBRTで、2013年に一部で運行を始め、2019年に現在の路線になっています。さらに延伸の計画もあります。

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日立電鉄はこの地で創業した日立製作所の子会社で、日立市の西隣にある常陸太田市の常北太田駅から日立市のJR大甕駅を経由し、鮎川駅に至る路線でした。常陸太田市と日立市を結ぶルートとして、そして市内に点在する事業所への足として建設されたそうですが、近年は事業所の閉鎖や縮小などもあって利用者が減り、廃止となったようです。このうち日立市内の区間について、同市が道路を保有し、茨城交通がバスを運行する公設民営でのBRT導入を進めているのです。

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当日はJR常陸多賀駅から大甕駅まで、途中下車をしながら乗りました。常陸多賀駅を出ると、しばらくは駅から遠ざかるように一般道を東に進みますが、まもなく右折して専用道路に入ります。生活道路との交差部分には双方に遮断機があり、バスを優先して通すことになっています。1ヶ所だけ存在した大通りとの交差点は路面電車と同じように、信号により交互に通行するようになっています。

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専用道路区間の停留所の数は15で、鉄道駅の3倍です。新設したバス停の中には、周辺に新しい住宅が並んでいるところもあり、BRTがまちづくりに貢献していることもわかります。大甕駅に近づくと道路と並行して走りますが、信号が続く道路に対して、BRTは停留所以外は止まらないので(前述の交差点脇にも停留所があります)、流れが速いときさえありました。便数は大甕発着と常陸多賀発着で明確に差をつけており、バスならではの柔軟な運行がなされていました。

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ご存知かもしれませんが、BRTはバス・ラピッド・トランジットの略で、バスに鉄道並みの速さを持たせる輸送手段です。それにはやはり専用車線が必須だと痛感しました。残念ながら日本では、ここまで専用道路の比率が高いBRTは、鉄道の廃線跡を活用したものがほとんどで、新規に導入するBRTは専用道路を設けない中途半端なものが目立っています。多くの移動者がBRTの良さを認めてくれるためにも、ひたちBRTのような正統派が増えることを願うばかりです。