前回のブログでは、当初の精神を失いつつある軽自動車について書きましたが、穴を埋めるモビリティがないわけではありません。グリーンスローモビリティ(グリスロ)はそのひとつです。インターネットメディア「ビジネス+IT」で記事にしていただいたのを機に、着実に浸透しつつあるこのカテゴリーについて書いてきたいと思います。

グリーンスローモビリティについてもう一度説明すると、2018年に国土交通省が提案した新しいカテゴリーで、最高速度20km/h未満の電気自動車を使う近距離輸送の公共交通のことです。20km/h未満という具体的な数字を出しているのは、道路運送車両法の保安基準で、最高速度20km/h未満の車両は窓ガラスやシートベルトなどの装着が免除されるという緩和項目があるためです。
制度が生まれて3年という新しいカテゴリーであり、実証実験段階の事例も多くありますが、それでも今年4月時点ですでに100近くの経験を重ねています。私がアドバイザーを務める企業でも、モビリティに精通しているとは言えない相手からいきなりグリスロという言葉が出てきたり、関係ない用事で訪れた地方で車両が走っているのを見かけたりと、予想以上に普及していることは実感しています。

なぜここまで広まったのでしょうか。環境に優しいうえに、地域交通の課題解決のために生み出されたという背景が、地方の人たちから支持されているのだと思います。グリーンスローモビリティという名前もわかりやすく、それをグリスロと略したセンスにも感心します。さらに交通分野では長い間、速いことが素晴らしいとされてきた中、交通事故の犠牲者減少にも寄与するスローという概念を打ち出したのは画期的であり、時代の変化を実感するところでもあります。
横の窓はもちろん、車両によってはドアさえないので、車内と車外の境目が少ない、つまり心理的なバリアフリーをもたらす構造は、利用者同士だけでなく沿道の人たちのコミニュケーションを育んでもくれます。見るからに開放的な雰囲気なので、なんとなく乗ってみようという雰囲気にさせてくれることも、導入が進んでいる理由だと考えています。
低速の電動車両で、交通量の少ない場所を走ることが多いので、自動運転の導入にも有利です。福井県永平寺町など、運転手を乗せず、遠隔監視で複数の車両を運行している例もあります。多くはゴルフ場の電動カートで以前から使われてきた誘導線方式を採用していますが、同じシステムであっても最近のものは以前より走りが滑らかになっているなど、進化も実感しています。

同じ国土交通省がカテゴリーを創設しながら、いまひとつ盛り上がっていない超小型モビリティに比べると、グリスロはうまく軌道に乗っています。超小型モビリティは、登録車両に関しては衝突安全試験を義務付けるなど、完璧さを求める方向性を感じます。何かにつけて完璧を求めるというのは、現在の日本で目立つ方向性ですが、グリスロは逆に敷居を下げる方向のカテゴリーづくりがなされており、それが多様性が求められる時代にフィットしたのではないかと思っています。
とはいえ気になる点がないわけではありません。小型の電動カートの中には、満充電での航続距離が30km程度と短いものがあり、アドバイザーを務める企業が関わった実証実験では半日しか持たず、問題になりました。最低でも2倍の航続距離は欲しいところですし、スクーターのように簡単にバッテリーを交換できるような仕組みがあると、より使いやすくなるのではないかと感じています。

もうひとつ、多くが実証実験止まりであることも気になっています。マネタイズができないことが大きな理由だと思いますが、そもそも地方の公共交通は福祉事業なので、それ自体で黒字を上げるのは無理だと考えます。モビリティの導入でまちを活性化し、税収増などにつなげるというビジネススタイルなのであり、MaaS同様まちづくりの手段のひとつとして考えたうえで、導入に取り組んでいってほしいと思っています。

グリーンスローモビリティについてもう一度説明すると、2018年に国土交通省が提案した新しいカテゴリーで、最高速度20km/h未満の電気自動車を使う近距離輸送の公共交通のことです。20km/h未満という具体的な数字を出しているのは、道路運送車両法の保安基準で、最高速度20km/h未満の車両は窓ガラスやシートベルトなどの装着が免除されるという緩和項目があるためです。
制度が生まれて3年という新しいカテゴリーであり、実証実験段階の事例も多くありますが、それでも今年4月時点ですでに100近くの経験を重ねています。私がアドバイザーを務める企業でも、モビリティに精通しているとは言えない相手からいきなりグリスロという言葉が出てきたり、関係ない用事で訪れた地方で車両が走っているのを見かけたりと、予想以上に普及していることは実感しています。

なぜここまで広まったのでしょうか。環境に優しいうえに、地域交通の課題解決のために生み出されたという背景が、地方の人たちから支持されているのだと思います。グリーンスローモビリティという名前もわかりやすく、それをグリスロと略したセンスにも感心します。さらに交通分野では長い間、速いことが素晴らしいとされてきた中、交通事故の犠牲者減少にも寄与するスローという概念を打ち出したのは画期的であり、時代の変化を実感するところでもあります。
横の窓はもちろん、車両によってはドアさえないので、車内と車外の境目が少ない、つまり心理的なバリアフリーをもたらす構造は、利用者同士だけでなく沿道の人たちのコミニュケーションを育んでもくれます。見るからに開放的な雰囲気なので、なんとなく乗ってみようという雰囲気にさせてくれることも、導入が進んでいる理由だと考えています。
低速の電動車両で、交通量の少ない場所を走ることが多いので、自動運転の導入にも有利です。福井県永平寺町など、運転手を乗せず、遠隔監視で複数の車両を運行している例もあります。多くはゴルフ場の電動カートで以前から使われてきた誘導線方式を採用していますが、同じシステムであっても最近のものは以前より走りが滑らかになっているなど、進化も実感しています。

同じ国土交通省がカテゴリーを創設しながら、いまひとつ盛り上がっていない超小型モビリティに比べると、グリスロはうまく軌道に乗っています。超小型モビリティは、登録車両に関しては衝突安全試験を義務付けるなど、完璧さを求める方向性を感じます。何かにつけて完璧を求めるというのは、現在の日本で目立つ方向性ですが、グリスロは逆に敷居を下げる方向のカテゴリーづくりがなされており、それが多様性が求められる時代にフィットしたのではないかと思っています。
とはいえ気になる点がないわけではありません。小型の電動カートの中には、満充電での航続距離が30km程度と短いものがあり、アドバイザーを務める企業が関わった実証実験では半日しか持たず、問題になりました。最低でも2倍の航続距離は欲しいところですし、スクーターのように簡単にバッテリーを交換できるような仕組みがあると、より使いやすくなるのではないかと感じています。

もうひとつ、多くが実証実験止まりであることも気になっています。マネタイズができないことが大きな理由だと思いますが、そもそも地方の公共交通は福祉事業なので、それ自体で黒字を上げるのは無理だと考えます。モビリティの導入でまちを活性化し、税収増などにつなげるというビジネススタイルなのであり、MaaS同様まちづくりの手段のひとつとして考えたうえで、導入に取り組んでいってほしいと思っています。
