富山県と長野県にまたがる立山黒部アルペンルートの立山トンネル内を走る、国内唯一のトロリーバスが、今月30日で営業を終えます。同じ立山黒部アルペンルートの関電トンネルを走っていたトロリーバスは、ひと足先に電気バスに置き換えられているので、これにより日本からトロリーバスが姿を消すことになります。これを機に読売新聞富山支局では連載記事を出しており、私のコメントも使っていただいたので、今回はトロリーバスをテーマに書いていきたいと思います。

日本でも太平洋戦争直後、全国各地にトロリーバスが普及したことがあります。当時は石油の輸入が大変だったうえに、ディーゼルエンジンはまだ性能が低かったのに対し、電気は水力や石炭火力など自国内の資源で作り出せ、需要は今ほど多くなかったので、電気で走るバスを走らせたのだと理解しています。しかしその後、石油の入手が容易になり、ディーゼルエンジンの性能が向上すると、架線の下しか走れないトロリーバスは運行上不便ということになり、廃止になっていきました。
そんな中、立山黒部アルペンルートでトロリーバスが走り続けていたのは、国立公園に指定されており環境保護が大切であること、2区間ともにルートがほぼトンネルであることなどが関係しているようです。関電トンネルは、そもそも電力会社の運営で、近くの黒部ダムで発電もしていることもあり、1964年の開業当初からトロリーバスでしたが、立山トンネルは当初ディーゼルバスを導入したものの、トンネル内に排気ガスがたまるようになり、1996年からトロリーバスに切り替えたと記事にもあります。

それとは別に海外では、フランスのリヨン、スイスのローザンヌ、米国サンフランシスコ、中国上海などでトロリーバスを見たことがあり、欧州では利用もしたことがあります。上海を除く3都市に共通しているのは、坂道が多いことです。ディーゼルエンジンでは排気ガスだけでなく音も気になることから、都市環境の保全という目的でトロリーバスを選んだのでしょう。
しかし同じような地形のルクセンブルクでは、以前ブログで紹介したように、トロリーバス同様屋根上から電気を取り、バッテリーに充電して走る電気バスが走っていました。これに限らず、2010年代に入ったあたりから、駆動用バッテリーの性能が向上したことで、充電式の電気バスが増えてきたと実感します。関電トンネルのトロリーバスも、屋根上で充電する方式に置き換わっているようです。

では平地が続く上海がトロリーバスを走らせているのは、どうしてでしょうか。環境対策とともに、エネルギーの自給を重視していることも関係していそうです。日本はお金を払えば石油は手に入るという考えの人がいるようですが、輸送によるコストや環境負荷を抑えるだけでなく、地域情勢の急変に備えるためにも、地産地消が基本という考え方は理解できます。中国が電気自動車を推進しているのも、産業としての戦略もありますが、エネルギーの自給という観点も大きいと想像しています。

その中国でも最近は電気バスへの置き換えが進んでいるそうです。日本にも同国製のバスが入ってきているほどなので当然でしょう。トロリーバスが減りつつあることは寂しいですが、架線や集電装置がなくなっただけで、電気で走ることは共通です。静かで環境に優しい路上の公共交通というトロリーバスの利点は、電気バスに引き継がれ、生き続けていくのだろうと思っています。

日本でも太平洋戦争直後、全国各地にトロリーバスが普及したことがあります。当時は石油の輸入が大変だったうえに、ディーゼルエンジンはまだ性能が低かったのに対し、電気は水力や石炭火力など自国内の資源で作り出せ、需要は今ほど多くなかったので、電気で走るバスを走らせたのだと理解しています。しかしその後、石油の入手が容易になり、ディーゼルエンジンの性能が向上すると、架線の下しか走れないトロリーバスは運行上不便ということになり、廃止になっていきました。
そんな中、立山黒部アルペンルートでトロリーバスが走り続けていたのは、国立公園に指定されており環境保護が大切であること、2区間ともにルートがほぼトンネルであることなどが関係しているようです。関電トンネルは、そもそも電力会社の運営で、近くの黒部ダムで発電もしていることもあり、1964年の開業当初からトロリーバスでしたが、立山トンネルは当初ディーゼルバスを導入したものの、トンネル内に排気ガスがたまるようになり、1996年からトロリーバスに切り替えたと記事にもあります。

それとは別に海外では、フランスのリヨン、スイスのローザンヌ、米国サンフランシスコ、中国上海などでトロリーバスを見たことがあり、欧州では利用もしたことがあります。上海を除く3都市に共通しているのは、坂道が多いことです。ディーゼルエンジンでは排気ガスだけでなく音も気になることから、都市環境の保全という目的でトロリーバスを選んだのでしょう。
しかし同じような地形のルクセンブルクでは、以前ブログで紹介したように、トロリーバス同様屋根上から電気を取り、バッテリーに充電して走る電気バスが走っていました。これに限らず、2010年代に入ったあたりから、駆動用バッテリーの性能が向上したことで、充電式の電気バスが増えてきたと実感します。関電トンネルのトロリーバスも、屋根上で充電する方式に置き換わっているようです。

では平地が続く上海がトロリーバスを走らせているのは、どうしてでしょうか。環境対策とともに、エネルギーの自給を重視していることも関係していそうです。日本はお金を払えば石油は手に入るという考えの人がいるようですが、輸送によるコストや環境負荷を抑えるだけでなく、地域情勢の急変に備えるためにも、地産地消が基本という考え方は理解できます。中国が電気自動車を推進しているのも、産業としての戦略もありますが、エネルギーの自給という観点も大きいと想像しています。

その中国でも最近は電気バスへの置き換えが進んでいるそうです。日本にも同国製のバスが入ってきているほどなので当然でしょう。トロリーバスが減りつつあることは寂しいですが、架線や集電装置がなくなっただけで、電気で走ることは共通です。静かで環境に優しい路上の公共交通というトロリーバスの利点は、電気バスに引き継がれ、生き続けていくのだろうと思っています。
