今から80年前の今日、長崎に原爆が投下されました。私は実際にその場にいたわけではないし、このまちで暮らしたことすらありませんが、長崎が最後の被爆地であり続けるためにも、世界中のひとりでも多くの人が広島とともにここを訪れ、地元の人たちや展示施設などを通して惨状を知り、後世に伝えていくことが大事であると、今日改めて思いました。

そのためには、多くの人が安全快適に長崎を巡ることができることもまた、大切であると考えます。今年の春、久しぶりに長崎を訪れる機会があり、公共交通を使っていくつかの場所を訪れたので、モビリティ視点で気づいたことを綴っていくことにします。
まず取り上げるのは、JR九州西九州新幹線開業にともなって、150m西側に移設された長崎駅です。これまで駅があった部分は駅前広場、商業施設、ホテル、多目的広場などに生まれ変わりましたが、逆に旧駅の東側を走る国道202号線上の路面電車(長崎電気軌道)停留所、国道に面した路線バス停留所や高速バスのターミナルは遠くなってしまいました。

駅から路面電車の停留所に向かって歩くと、3分の2ほど進んだところに、レールが埋め込まれていました。ここが旧駅のあったところだそうです。この位置であれば、路面電車やバスへの乗り換えは楽だったでしょう。
同じ被爆地である広島では、8月6日を前に、路面電車がJR西日本の広島駅ビル2階に乗り入れることで、山陽新幹線をはじめとするJR各線との乗り換えが楽になりました。しかも長崎県によると、長崎駅の駅前広場は観光バスとタクシーの乗降および待機に使われる以外は、一般車の駐車場になるとのこと。マイカー移動が多い地域であることは理解しますが、ウォーカブルシティの考え方が国内でも根付きつつあるので、複雑な気持ちを抱きました。

長崎県「長崎市中心部の交通結節等検討会議」のウェブサイトはこちら
路面電車の路線図を見ると、平和公園、原爆資料館、出島、めがね橋、大浦天主堂など、有名な観光地をそのまま名前とした停留場がいくつもあります。市役所、メディカルセンター、長崎大学といった停留場名も目にします。それだけ地域住民にとっても観光客にとっても重要な移動手段なのでしょう。だからこそ駅との直結を考えてほしいし、すべての路線バスが駅前広場から乗れるようになってほしいものです。
一方で長崎には、感心する部分もありました。坂道を楽に上り下りできるような仕掛けが各所に用意されていることです。たとえば有名な観光地のひとつであるグラバー園の周辺には、丘の上にあることもあり、エスカレーターや斜行エレベーター、動く歩道などがあり、近くの大浦天主堂を含めて快適に巡ることができました。

山頂からの夜景がすばらしい稲佐山には、ロープウェイとスロープカーでアクセス可能です。なかでも印象的だったのは、5年前に運行を開始したスロープカーで、モノレールのように1本のレールに跨りつつ、斜面を走行中も車体は常に水平に保つという凝った構造で、ロープウェイともどもフェラーリなどを手がけた工業デザイナー奥山清行氏が関わっており、洗練された移動空間に仕上がっていました。

もちろんこうした移動手段が用意されているのは一部で、多くの地域ではアップダウンに苦労しながらの生活が続いています。多くの地域と同じように、人口減少や高齢化も進んでいます。すべての人に安全快適なモビリティを提供するのは大変かもしれません。なので長崎駅周辺など、幹になるところから改革に取り組んでほしいものです。それが多くの人に長崎を知ってもらうために、大事なことだと考えています。
*来週は夏休みをいただきます。次回の更新は8月23日の予定です。

そのためには、多くの人が安全快適に長崎を巡ることができることもまた、大切であると考えます。今年の春、久しぶりに長崎を訪れる機会があり、公共交通を使っていくつかの場所を訪れたので、モビリティ視点で気づいたことを綴っていくことにします。
まず取り上げるのは、JR九州西九州新幹線開業にともなって、150m西側に移設された長崎駅です。これまで駅があった部分は駅前広場、商業施設、ホテル、多目的広場などに生まれ変わりましたが、逆に旧駅の東側を走る国道202号線上の路面電車(長崎電気軌道)停留所、国道に面した路線バス停留所や高速バスのターミナルは遠くなってしまいました。

駅から路面電車の停留所に向かって歩くと、3分の2ほど進んだところに、レールが埋め込まれていました。ここが旧駅のあったところだそうです。この位置であれば、路面電車やバスへの乗り換えは楽だったでしょう。
同じ被爆地である広島では、8月6日を前に、路面電車がJR西日本の広島駅ビル2階に乗り入れることで、山陽新幹線をはじめとするJR各線との乗り換えが楽になりました。しかも長崎県によると、長崎駅の駅前広場は観光バスとタクシーの乗降および待機に使われる以外は、一般車の駐車場になるとのこと。マイカー移動が多い地域であることは理解しますが、ウォーカブルシティの考え方が国内でも根付きつつあるので、複雑な気持ちを抱きました。

長崎県「長崎市中心部の交通結節等検討会議」のウェブサイトはこちら
路面電車の路線図を見ると、平和公園、原爆資料館、出島、めがね橋、大浦天主堂など、有名な観光地をそのまま名前とした停留場がいくつもあります。市役所、メディカルセンター、長崎大学といった停留場名も目にします。それだけ地域住民にとっても観光客にとっても重要な移動手段なのでしょう。だからこそ駅との直結を考えてほしいし、すべての路線バスが駅前広場から乗れるようになってほしいものです。
一方で長崎には、感心する部分もありました。坂道を楽に上り下りできるような仕掛けが各所に用意されていることです。たとえば有名な観光地のひとつであるグラバー園の周辺には、丘の上にあることもあり、エスカレーターや斜行エレベーター、動く歩道などがあり、近くの大浦天主堂を含めて快適に巡ることができました。

山頂からの夜景がすばらしい稲佐山には、ロープウェイとスロープカーでアクセス可能です。なかでも印象的だったのは、5年前に運行を開始したスロープカーで、モノレールのように1本のレールに跨りつつ、斜面を走行中も車体は常に水平に保つという凝った構造で、ロープウェイともどもフェラーリなどを手がけた工業デザイナー奥山清行氏が関わっており、洗練された移動空間に仕上がっていました。

もちろんこうした移動手段が用意されているのは一部で、多くの地域ではアップダウンに苦労しながらの生活が続いています。多くの地域と同じように、人口減少や高齢化も進んでいます。すべての人に安全快適なモビリティを提供するのは大変かもしれません。なので長崎駅周辺など、幹になるところから改革に取り組んでほしいものです。それが多くの人に長崎を知ってもらうために、大事なことだと考えています。
*来週は夏休みをいただきます。次回の更新は8月23日の予定です。
