日本には島がいくつあるか、知っていますか? 6,852島と答える人がいるかもしれませんが、これは1987年に海上保安庁が公表したもので、2年前に国土地理院が数え直したところ、14,125島と倍以上になりました。測量技術の進歩で、地図に描かれた陸地のうち、自然に形成されたと判断した周囲長0.1km以上の陸地を対象に数えたことが、倍以上になった理由だそうです。

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離島と呼ばれるのはこのうち、北海道、本州、四国、九州、沖縄本島以外で、ほとんどは無人島ですが、400あまりの島には人が住んでいます。そのうちのひとつ、静岡県熱海市の初島に、下の写真にある新しい高速船を就航し、観光施設も運営する富士急行のプレスツアーで行ってきました。船や施設はAUTOCAR JAPANの連載で取り上げましたが、当日はそれ以外の案内もしていただいたので、離島のモビリティというテーマで紹介していきます。

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初島は熱海市の中心部から10kmほど離れた相模湾にあり、人口は220人ぐらい。観光業のほか漁業、農業に従事する人が住んでいるようです。一周4kmほどなので、自転車で十分と考える人がいそうですが、現実にはそれは大変です。灯台がある最高峰の海抜は51mあるので、海沿い以外はほとんど山道だからです。公共交通も存在しないので、現地の人の移動手段は原付と軽トラックがメインでした。

気になったのは燃料となるガソリンです。電気や水道は本土からケーブルやパイプで供給され、携帯電話は灯台の近くに基地局がありましたが、高速船は車両は積めず、燃料の運搬もできません。島の外に行く必要がないので、原付と軽トラックという選択になるのかもしれませんが、ガソリンは専用の船で運んでいるそうで、海が荒れたりすると供給はどうなるのか、不安を抱きました。



島内は低速短距離移動なので、電動のほうがいろいろな面で便利そうです。ただ海岸を離れるとすぐに坂道が始まるうえに、熱海市は高齢化率が50%近くと、静岡県の市でもっとも高いことを考えると、私が体験した車両では、3輪あるいは4輪の特定小型原付がふさわしいと感じました。大都市では批判が集まっている特定小型原付ですが、初島のような場所にはむしろマッチしていると感じました。

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自動車は移動よりも、農産物や鮮魚などの運搬が主な役目になりそうなので、軽トラックが適役です。ただし島内はもちろん高速道路はないので、以前ブログで書いたように、高速道路を走行不可能とする代わりに保安基準を緩和し、価格を下げた車両があれば、そのほうが望ましいでしょう。

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過去に訪れた島を思い出しながら、初島を巡って、100の島があれば100通りのモビリティが求められると感じました。住民が少なく、土地が狭く、産業が限定されることが関係しているでしょう。軽トラックや原付は大量生産なので、地域のニーズに対応しにくい面があります。日本は島国であるわけですから、法規面でも構造面でも、もう少し離島の生活に柔軟に対応できるようになって良いのではないかと思いました。