自動車に興味がある人なら、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池自動車(FCV)の新車購入時に、国や自治体から補助金が出ることは知っていると思います。今週そのうち東京都が、下にあるように今年度のEVおよびPHEVの補助金(以下EV補助金)の上限額を引き上げました。EVでは最大100万円から130万円、PHEVは最大85万円から115万円にアップしています。

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東京都「令和8年度EV・PHEVの補助上限額を一部引上げ」オフィシャルサイトはこちら

東京都は日本の都道府県の中ではもっとも自動車を保有しにくい場所です。地価が高いので、駐車場を借りたり停めたりするのにコストが掛かるからです。ちなみに私が借りている東京23区内の月極駐車場は、月3万円です。地方に住む人が見たら驚く数字ではないでしょうか。それに鉄道をはじめとする公共交通が発達しているので、自動車に乗らなくても移動に不便は感じません。にもかかわらず、補助金は他の道府県を圧倒しているのです。

東京都の財源が、他の自治体とは比べ物にならないほど余裕があることは、子育て支援などさまざまな面で報じられています。これらは間違いなく一極集中を助長するものですが、議論を行う国会議員も、日本の議員数は人口に比例しているので、一極集中になりつつあります。本来EVは、一軒家が多く、公共交通が不便な地方こそ生きるはずなのに、現実は豊富な財源をバックに環境アピールの材料として使われている感があります。

もうひとつ気になるのは、メーカーごとの補助金に差があることです。東京都の資料を見ると、メーカー別では日本と米国は多く、欧州は中間、中国と韓国は少ないという傾向が読み取れます。実はこの傾向、国のクリーンエネルギー自動車(CEV)導入促進補助金にも見られます。というか国のそれは、えげつないという表現を使いたくなるレベルになっています。

いくつかの車種について、2024年度と今年度の補助金の推移を紹介すると、以下のようになります。

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テスラ「モデルY」 87→127万円
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ミニ「エースマン」45→45万円
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BYD「シーライオン7」 35〜45→15万円

この3車種、車両価格に大きな差はないうえに、生産している場所はどれも中国です。テスラは高性能で扱いやすい独自の充電ネットワークを用意するなど、インフラにも多大な投資をしているので、以前から補助金が多かったことは納得できますが、テスラがBYDの8倍以上というのは、ミニを含めた3台を実際に乗った者として、驚くしかありません。

なぜこのような差が出ているのでしょうか。経済産業省のホームページを見ると、「日米関税競技の合意も踏まえて」見直しを行ったという記述がありました。また同省では各年度の算定基準も掲載していますが、昨年度(上の表)と比べると、今年度(下の表)は点数の半分が供給の安定性/サイバーセキュリティへの対応に充てられていることが目立ちます。この2つの視点が、日米優遇、中韓冷遇という状況につながったのかもしれません。

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経済産業省「クリーンエネルギー自動車の導入補助金」オフィシャルサイトはこちら

ところでEVなどの補助金については以前から、ガソリン車やハイブリッド車に乗る人たちから、不公平であるという意見が出されてきました。このブログを見て、あらためてそういう思いを抱いている人もいるでしょう。

ただし今はガソリンにも補助金が入っているので、EVだけを非難するのは公平ではありません。それでも不満を言いたくなるのは、EV補助金がユーザーに直接還元されるのに対し、ガソリンの補助金は石油会社に出されているためもあるでしょう。EV以上にグレーな部分が多いガソリンの補助金も、クリアになってほしいものです。