ここにきてまた自動運転の話題が増えてきました。先週はテスラが米国で運用を始めたロボタクシー(自動運転タクシーサービス)専用車両「サイバーキャブ」を日本で初公開。そして今週は、グーグルから独立したウェイモがタクシー配車アプリGO、タクシー会社の日本交通とともに、来年中に東京都内で100台規模のロボタクシー運行を目指すと発表しました。

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ちなみにテスラのサイバーキャブの公開は、今週末の20日まで大阪、来週22・23日は名古屋、26~28日は東京新宿のテスラ・ディーラーで展示されることになっています。

一連の動きに対して、SNSなどで多くの反響が上がっていますが、個人的な肌感覚としては、最近の自動運転の話題としてはネガティブな意見が多いと感じています。いずれも日本ではなく米国の会社が主体だからでしょうか。しかしロボタクシーの先進国が、すでに商用運行を行っている米国と中国であることは、多くの人が認めるところです。

自動運転の制御技術は、航空宇宙や防衛分野との関係が深いと考えています。ミサイルは早くから誘導装置によって目標に向かって飛んでいたし、旅客機が上空でオートパイロットにより飛行していることはよく知られています。こうした経験はやはり尊重すべきというのが持論です。

ウェイモの母体となったグーグルの自動運転は、米国の国防高等研究計画局(DARPA)が主催したロボットコンテストの優勝者を招聘したところから始まりました。テスラの創業者イーロン・マスク氏は、同じ時期に宇宙開発企業のスペースXを立ち上げています。今はスペースXの一部になったAI開発企業を含めたノウハウが、自動運転技術に生かされていることは容易に想像できます。

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それにこのブログを、ほとんどの人はスマートフォンやパソコンなどで見ていると思いますが、それらのOSは米国生まれです。米国の自動運転システムに懸念を示しつつ、スマートフォンやパソコンを日常的に使い続けるのは奇妙に思えます。日本は多くの乗り物が、先行する欧米諸国から技術やデザインを参考にしながら、国産化を実現してきました。ロボタクシーにおいても、まずは米国の技術を借りるというのは理に叶ったことです。

加えて現政権が、米国とのつながりを重視していることは、EV (電気自動車)の補助金額でも明らかです。テスラやウェイモもその流れを考えての発表だと感じています。とはいえ国内でも自動運転技術の研究開発を行っているテックカンパニーはいるので、並行してこうした企業の成長を後押ししていかないと、スマートフォンやパソコンのOS同様、米国に席巻されることになるでしょう。

テスラとウェイモの自動運転技術が違うことは私も把握しています。以前このブログで紹介したルールベースとAIベースのうち、ウェイモは前者、テスラは後者に当たります。最近はAIベースが主流になりつつあることも書きましたが、そんな中で先月ウェイモがこの動向について出したメッセージ「10 AI insights」は注目です。

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ウェイモの「10 AI insights」はこちら(英語)

くわしくはサイトを見ていただきたいですが、カメラだけでは不十分、高精度(HD)マップは必要、車載検証レイヤーは重要、実走行経験に代わるものはないなど10項目を掲げており、説得力がありました。AIを否定しているわけではなく、高精度マップのアップデートや検証レイヤーなどでの活用は奨励しています。直近ではAIの暴走もニュースになっているので、ルールベースとAIベースのハイブリッドが理想なのかもしれないという気がしました。

ちなみにウェイモは6月の発表で、完全自動運転でこれまで3億5000万kmを走破し、死亡または重傷につながる衝突事故を94%削減したとあります。日本では自動車の安全性能が向上しているにもかかわらず、交通事故の死者数は近年横ばいなので、一歩進んだ安全性能として完全自動運転はありではないでしょうか。

今回はウェイモは東京への導入、テスラも大都市での展示です。これはプロモーションとしての要素もあると考えています。テスラのサイバーキャブは明らかにタクシー向きではないパッケージングですが、効率抜きのカッコよさは1950年代のテールフィンに通じるし、SUVが多くなった今だからこそ、低い位置に座っての移動は付加価値になるかもしれません。

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もちろん本音は地方での展開を望みたいところです。タクシーが潤沢な東京などの大都市に対し、地方は過疎化により廃業したり、高齢化で夜間の運転を控えるドライバーが出たりしていることを、現地で話を聞いているからです。財源については、国土交通省で今春展開した地域公共交通確保維持改善事業(自動運転社会実装推進事業)などを発展させてはどうかと考えています。