THINK MOBILITY

モビリティジャーナリスト森口将之のブログです。モビリティやまちづくりについて気づいたことを綴っています

カテゴリ: メディア

流しのタクシーがなかなか捕まらなくなったのですがどうしてでしょうか。こんな内容の取材を、インターネットのニュースサイト「FRIDAYデジタル」編集部から依頼されました。自分なりに思うところがあったので取材を受けた内容が、昨日記事化されました。気になる方は下のリンクからご覧になってください。

IMG_2071

そこにも書かれていますが、流しのタクシーが少なくなっていることはある程度想像できます。国土交通省の統計では、タクシーの交通事故率は、同じ営業用車のトラックやバスに比べてはるかに高く、空車時のそれは実車時(客を乗せているとき)の3倍以上になっています。その理由として、流しのドライバーの意識が道路脇などに向きがちであることは、専門家からも挙がっています。

スクリーンショット 2026-03-28 18.42.03
スクリーンショット 2026-03-28 18.42.40
国土交通省タクシー事業の概要や事故の状況等について(統計資料等)はこちら

さらに言えば、流し営業は経験に頼るところが大きいので、若い人など経験の浅いドライバーは好まない傾向があるという話も聞いたことがあります。そのためスマートフォンの配車アプリ専用の車両を導入したり、ドライバー向けアプリで需要予測データを提供したりしているほどです。おまけに今の若者はスマホネイティブです。なので今後ドライバーの世代交代が進むほど、この傾向は進むのではないでしょうか。

たしかにアプリは迎車料金か掛かります。でも流しのタクシーを捕まえるのは運に左右されるのが事実です。繁華街ならともかく、それ以外の場所では、暑さ寒さや雨天の中、道路を眺めながらいつ来るかわからない空車のタクシーを待つより、追加のお金を払っても予約をして、時間まで家などで待っていたほうがいいと考える人がいても不思議ではありません。

IMG_2067

そういえば東京都内では、高齢者だけでなく若者もタクシーを利用する姿が目立ちます。マイカーを所有するより安いからでしょう。自動車メーカーのリース料金、私が借りている東京23区内の駐車場代、ガソリン代をもとに計算すると、ひと月7.5万円ぐらいになります。2500円分を30回乗れることになります。運転しないので移動中に動画やゲームを楽しむこともできます。それなら迎車料金を払ってもいいと考える人がいそうな気がします。



スマートフォンがうまく扱えない地方の高齢者のことを心配する人がいるかもしれませんが、そもそも地方はタクシーの台数が圧倒的に少ないので、流しを捕まえようとすること自体が困難です。アプリに対応しているタクシーが少ないこともあり、電話で配車してもらうのが一般的です。こちらでも配車業務をAI音声対応とすることで人手不足に対応するなどの進化はしていて、スムーズな配車ができるようになっているようです。

駅で切符を買わなくなったり、バスの乗り降りで現金を出さなくなったり、自分の身のまわりでも、公共交通を利用するときの行動変化は、いくつかあります。タクシーの乗り方も、そのひとつではないかという気持ちになっています。なによりも交通事故減少につながりそうなのですから、利用する側も事故を少なくするような乗り方を考えていきたいものです。

大型連休では中日(なかび)になることが多い4月30日は、図書館記念日だそうです。今から75年前のこの日に、公立図書館は原則無料などを定めた図書館法が交付されたことを記念して、定められたとのことです。そこで今回は、ジャーナリストとして欠かせない存在である図書館や書店、そして本について、モビリティとの関係を交えながら書いていきたいと思います。

IMG_6319

先月、子どもの頃は毎月購読していて、近年は記事を書かせてもいただいた鉄道専門誌「鉄道ジャーナル」が休刊になりました。自分と関係の深い雑誌としては、かつて編集部に在籍していたこともある自動車専門誌「カー・マガジン」が4年前に休刊となって以来の、大きな出来事になりました。これ以外のジャンルでも、雑誌の休刊のニュースはいくつか目にしていて、厳しい状況にあることを教えられます。

インターネットの普及が大きな理由であることは間違いないですが、それは速報性で劣るだけではないと思っています。インターネットは自分の好きな情報だけを選んで見ることができるので、興味がない情報は見なくなり、さまざまな話題を幅広く扱う新聞や雑誌、テレビやラジオなどは、無駄な部分が多いと考える人がいるような気がするのです。それが証拠に、特定のテーマを深掘りする書籍の販売は、雑誌ほどは落ちていません。

IMG_6438

こうした傾向は、いろいろな部分で弊害を生み出しています。そのひとつが鉄道の工事運休のときの反応です。事前にいろいろな方法で告知されているのに、自分の興味のある情報しか見ないので、スマートフォンという情報端末を手に持っていながら、知らなかったという言い訳を平然とする人がいます。海外では昨日から、タイ入国時に米国ESTAなどど同様の電子渡航認証システムが必要になりましたが、それを知らずに空港で慌てて手続きを始める人がいたようです。

TDAC-760x587

こういう場面で知らなかった側に立ち、交通事業者の情報伝達に問題があったように報じるマスメディアにも疑問を抱いています。幅広くニュースを扱う新聞やテレビを見ていれば、運休情報は手に入るはずなので、自分たちの存在意義をアピールできるチャンスなのに、なぜか敵対関係に位置付けがちなSNSの側に立っているからです。報道機関が民の側に立つこと自体は非難しませんが、その立場に固執するあまり、情報社会の変化に気づかないというオールドメディアぶりは改めてほしいものです。

そもそも私は新しもの好きで飽きっぽい性格なので、図書館や書店に行ったら専門のコーナー以外にも足を運んで、気になる本があれば借りたり買ったりしています。ただ書店は本を買う場なので、いろいろな書物を気ままに見て回るには図書館が最適です。最近読んだ脳科学の先生の本では、脳は新鮮な情報を入れ続けていれば衰えにくいと書いてあって、いままで以上にいろいろな本を読もうという気持ちになりました。

IMG_2319

多くの人がそのような体験を得ることができるよう、せめて公立の図書館は公共交通で行きやすい場所に用意してほしいものです。私が訪ねたところでは、富山市、宮城県名取市、石川県七尾市などが、駅や停留場のすぐ近くにあって便利そうでした。たとえ列車やバスの本数が少なくても、待ち時間を読書に充てることができそうです。本を通じて多くの情報に出会う習慣をつけることは、移動はもちろん、生活のあらゆる面に生かされると考えています。

このページのトップヘ